事業管理者あいさつ

事業管理者 毛利 博

事業管理者
毛利 博

我が国は、少子高齢化に伴い人口減少社会の入り口に立っています。これからは医療需要が減少する中で、病院はいかに対応すべきかを真剣に考える必要があります。地域住民も「かかりつけ医」を持ち、医療提供体制を維持していくために協力いただくことが大切です。令和6年からは、いよいよ医師の「働き方改革」が動き出します。静岡県では、医師の地域偏在や診療科偏在があり、一部診療維持が困難となる診療科がでてくることが想定されます。地域医療は適切な対応を取ることが肝要です。

当院では、医療の質の向上と病院経営の改善を目指し、平成20年度から中期経営計画を策定し、スピード感をもって実行してきました。

第1次中期経営計画では、最終年度にはその目標である経営の黒字化を達成しました。また、第2次中期経営計画では、経営基盤の安定化の更なる推進、医療の質・組織力の向上を目指し、救命救急センターの開設、外来再編などを行ってきました。

「がんと救急」に強い病院を目指し、国指定の「地域がん診療連携拠点病院」の強みを生かし、さらなる向上を目指しています。その一環として、低侵襲手術室を2室増やし、鏡視下手術の充実と手術支援ロボットの運用が始まりました。手術支援ロボットは、泌尿器科、呼吸器外科で運用がはじまり、今後婦人科、消化器外科などにも拡大していく予定です。

令和6年には志太榛原地域で唯一の緩和ケア病棟が完成し、がん診療の更なる充実を図っていきます。また、令和5年3月に「がんゲノム医療連携病院」の指定を受け、静岡県立がんセンターと連携し、ガンゲノムの解析が始まりました。また、救命救急センターは、年間約15,000人の受診者数と、救急車は6,000台余を受けており、地域の救急医療の中核としてその役割を担っています。2020年度からは救命救急センターの医師も大幅に増員され、県内で数少ない外傷専門医も在籍しており、これまで以上の活躍を期待しているところです。

診療部では、診療体制が徐々に充足してきており、2023年度には常勤医147名となり、研修医も含めると177名体制になります。働き方改革の動向もあり、さらなる充実を目指し浜松医科大学を中心に一層連携強化を進めていきます。

看護部では、特定行為看護師・認定看護師の育成に努め、看護師の独自性を高め、支援していきたいと思います。さらに、訪問看護体制の構築を進めています。今後は、総合診療科(家庭医)も巻き込んだ医療・介護ネットワークを推進していきたいと思います。将来的には、拠点訪問看護ステーションの役割を担うことができればと思います。

診療技術部では、組織の中での自分の立ち位置が明確になるように人員の適正配置に努めていきたいと考えています。また、タスクシフト、タスクシェアを積極的に進めており、異職種との連携の中、更なる飛躍を期待しているところです。

病院の医療の質は、医師だけでなく、看護師、技師など様々な職種が総合的に機能することによって初めて向上します。そのためにはすべての職種において人材育成は非常に重要なものとなります。これからも現状に満足することなく、さらなる上を目指し職員一丸となって頑張る時ではないかと思います。

病院を取り巻く環境は大変厳しいものがあります。人口減少はこれまで経験したことがないもので、医療需要を見据えながら方向性をしっかりと見定め、病院組織もカメレオンのように変幻自在にしたたかに、強い意識をもって進んでいくことが今こそ求められていると思います。

(令和5年5月8日)

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更新日:2023年05月08日