看護師の特定行為研修

看護師特定行為研修への期待と、受講を検討している皆様へ

教育研修センター 特定行為研修担当部長 鈴木医師より

鈴木一周医師

 特定行為研修担当部長
鈴木 一周

看護師の仕事は、人々の命や健康に関わる責任ある仕事です。特定行為研修を受けることで、さまざまな知識が深められ、施行可能な医療行為の幅が広がるため、看護師として果たすべき役割への大きな力となるでしょう。その結果、多くの患者さんのニーズに応えられるようになり、ひいては医療の質向上に寄与するものと思われます。

特定行為研修は、専門的な知識や技術を身につけることができる貴重な機会です。ただ単に資格を得るだけでなく、さまざまな理論やその背景にあるものを学ぶため、より深い理解につながります。この研修を通じて、医療現場での危機管理や患者さんとのコミュニケーションスキルの向上、チーム医療への理解など、看護師として必要な幅広い知識を身につけることができます。

 研修終了後の特定行為の実践では、スキルを維持・向上させていくために、臨床の場で多くの経験を積むことが必要になります。一方、施設によっては、特定行為を行うにあたり、厳しい基準を設けている場合もあります。そのため、研修終了後も継続的に学ぶことは欠かせません。知識もスキルも常にアップデートすることが重要になります。

 これからはますます特定看護師が必要とされる時代になります。約半年間に及ぶ研修は大変なことも多いかもしれませんが、社会に求められる特定看護師を目指す多くの方々の挑戦をお待ちしています。

教育研修センター 教育研修担当部長 東医師より

東正樹医師

教育研修担当部長
東 正樹

「PICCを入れるから(特定看護師の)○○さんに依頼しよう」、「ICU患者さんのAラインの管理を△△さんにお願いしよう」、このような言葉を最近毎日のように耳にします。

当院に特定行為研修を修了した看護師が在籍し始めてから数年経過しますが、徐々にその存在、活躍ぶりが院内に浸透し、医師をはじめとする職員に広く周知されるようになりました。

医師の立場からすると、日常の診療中に特定行為を行うことができる看護師がいることで他の業務をすることが可能になり、特定行為看護師の存在は必要不可欠なものになりました。

これからの医療において特定行為看護師が活躍する場面は院内だけでなく、院外や地域まで拡大していくと思われます。

自身のキャリアアップを目指したり、興味を持たれた看護師に積極的に受講していただけるように期待しています。

看護部長より

当院の看護師特定行為研修は、2021年10月に開講し、今年度は第10期生が受講しています。

これまでに研修を修了した看護師は、救急、術中管理、集中治療をはじめ、感染管理や皮膚・排泄ケアなどの領域で、それぞれの専門性を活かしながら活動の場を広げてきました。患者さんの状態変化を捉え、必要な対応を適切なタイミングで実践につなげていく姿は、病院にとって大きな力となっています。その実践は、患者さんの安全の確保や合併症の予防、早期回復の支援にもつながり、医療の質の向上に寄与していると実感しています。

超高齢社会の進展に伴い、医療ニーズはますます複雑化しています。こうした中で、看護師が医師の思考過程を理解し、看護と医療の両面から患者さんを捉えて関わることは、チーム医療の質を高めるうえで重要です。特定行為研修は、その力を養い、看護師がより主体的に役割を発揮していく基盤になるものと考えています。

当院の研修は、実践に結びつく学びを重視し、多職種が連携して研修生の学びを支える教育体制を整えています。さらに、修了後に現場で活動している特定看護師が身近な相談役となり、学びを実践へとつなぐ後押しをしていることも当院の強みです。修了者の存在は、これから受講を目指す看護師にとって、身近で心強いロールモデルとなっています。

この研修が、看護師としての実践の幅を広げ、専門性をさらに深める機会となることを心より願っております。
 

特定行為(救急領域)修了者 Mさんの現在

2025年春コースを受講し、10月より特定行為看護師として働き始めました。救急外来では主に動脈血採血、Aライン挿入、降圧剤の投与量の調整、抗けいれん剤の投与などを行う機会が多くあります。

特定外来では、看護師がトリアージを行い、患者さんの状態から重症度や緊急度を判断しています。特定看護師として、バイタルサインや第一印象から異常の早期検知を意識して観察を行っています。

異常が疑われる場合は、速やかに医師の診察につなげられるよう調整をしていきます。また、医師がすぐに対応できない状況では、研修で得た知識を活用し、患者さんのABCDE評価を行いアセスメントを開始します。必要時には自ら動脈血採血を行い、血液ガス分析や電解質評価を実施することで早期治療介入に繋げています。

降圧剤の投与量の調整に関しては病態を踏まえながら医師と目標値を共有し、適切な血圧管理ができるよう介入しています。特定行為を活用し、患者さんの状態変化に迅速に対応できるよう努めています。

研修で学んだ内容や技術を、臨床の場で実施することに難しさを感じる日々ですが、医師や他の特定看護師にアドバイスを受け、相談しながら経験を積み重ねています。

今後は身に付けた内容をさらに深め、救急領域だけではなく創傷関連の行為を含め、様々なことに取り組んでいきたいと考えています。

特定行為研修は、自分の不足している知識と向き合い、学び直すことができる貴重な時間となりました。皆さんにも特定行為看護師の活動に少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。
 

特定看護師になるには?

特定行為研修受講から実施までの流れ

受講資格

次の1)~5)に定めるすべての要件を満たしていることが必要となります。

1) 日本国内における看護師免許を有していること。

2) 看護師免許取得後、通算5年以上の実務経験を有していること。

3) 所属施設において特定行為の実践について協力が得られ、所属長からの推薦があること。

4) 心身共に健康で研修修了後も特定行為実践を通して医療の発展と地域医療に貢献する意欲があること。

5) 日本看護協会看護師賠償責任保険に加入していること。

6)自施設での実習が可能であること。(特定行為ごとに5症例、約2か月間が必要となります。)

受講概要

1)共通科目250時間と区分科目「栄養及び水分管理に関わる薬剤投与関連」は必須とする。

2)認定看護師の看護分野に限らず、個々の実践に応じた区分別科目を選択することが可能である。

3)特定行為研修の修了者であれば共通科目の履修免除を受けて区分別科目のみの受講は可能である。(※1)

4)B課程認定看護師教育機関の修了者であれば共通科目の履修免除を受けて区分別科目のみの受講は可能である。(※2)

5)募集人数 定員3名(院内外あわせて)

(※1)当院または他の指定研修機関で共通科目が修了している者は、指定研修機関の研修修了証をもって当院の特定行為研修管理委員会で確認し承認された場合は、区分別科目の受講が可能です。

(※2)B課程教育機関で共通科目が修了している者は、B課程教育機関の認定看護分野認定証をもって当院の特定行為研修管理委員会で確認し承認された場合は、区分別科目の受講が可能です。

研修内容

研修は、共通して学ぶ「共通科目」と特定行為区分ごとに学ぶ「区分別科目」に分かれており、講義(e-ラーニング)・演習・実習、試験によって行われます。

共通科目(例)

共通科目(必修科目)は、全ての特定行為区分に共通とされる能力を身につけるための科目であり、全ての科目の履修を必修とします。

共通科目(例)
共通科目 総時間数
臨床病態生理学 30時間
臨床推論 45時間
フィジカルアセスメント 45時間
臨床薬理学 45時間
疾病・臨床病態概論 40時間
医療安全学/特定行為実践 45時間
総時間数250時間

区分別科目

区分別科目(選択科目)は、各特定行為に必要とされる能力を身につけるための科目であり、対象とする科目を履修します。複数選択可能であり、受講後の追加も可能です。

区分別科目
区分別科目 総時間数
呼吸器(気道確保に係るもの)関連 10時間
呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連 30時間
栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連(必須) 17時間
動脈血液ガス分析関連 18時間
循環動態に係る薬剤投与関連 29時間
栄養に係るカテーテル管理(末梢留置型中心静脈注射用カテーテル管理)関連 9時間
創傷管理関連 35時間
感染に係る薬剤投与関連 30時間
領域パッケージ
術中麻酔管理領域パッケージ(共通科目+区分科目) 326時間
救急領域パッケージ(共通科目+区分科目) 337時間
集中治療領域パッケージ(共通科目+区分科目) 332時間

研修スケジュール

【春コース】4月1日~9月30日 【秋コース】10月1日~3月31日

*修学支援として、週に4時間~14時間程度の学習時間を学内で設ける

当院の特定行為研修の特徴は、就労しながらの履修となり、臨床実習期間においては、所属施設のご理解のもと集中的に臨床実習を行えるように協力を得ることが望ましいと考えています。

共通科目、区分科目の講義は、所定のeラーニングを受講し、科目ごとにテストを実施し知識が身についたかを確認します。演習は、共通科目、区分科目のカリキュラムに沿っておこない、レポートなどで評価を行います。この段階で科目修了試験を行い、OSCEの評価と共に一定の合格を受けた者が臨床実習を受けることができます。

募集について

特定行為研修に関する資料(募集要項、出願書類)をご希望の方は、下記より必要な書類をダウンロードしてください。

特定行為に関するお問い合わせは下記よりお願いいたします。

令和8年度 秋コース課程

出願期間

日程が決まり次第掲載予定

説明会

日程が決まり次第掲載予定

場所:藤枝市立総合病院 5階 特定行為研修室1

※事前申し込み不要

個別説明会

Webを利用した説明会など、個別対応が可能です。
随時受付しています。
下記問合せ先までご連絡ください。

問合せ先

〒426-8677 静岡県藤枝市駿河台4丁目11番1号

藤枝市立総合病院

看護部特定行為推進担当   森永

病院人事課/特定行為研修室   望月・北澤

電話054-646-1111(内線)3126

特定行為についてのよくある質問

看護師が特定行為を行っても大丈夫ですか?

特定行為の実践には、実践的な理解力、思考力及び判断力、ならびに高度かつ専門的な知識・技能が特に必要とされ、厚生労働省により指定された施設で研修を行う必要があります。

特定行為研修は国家資格ではありませんが、研修修了後に修了試験が行われ合格した者は厚生労働省に登録されます。特定行為看護師は、高い知識と技術・判断力があると認められ、本来は医師の指示がないと行えない行為を自らの判断で行うことができます。ただし、特定行為研修を修了していても、さまざまな病状のすべての患者さんに対応し、特定行為を実施できるわけではありません。看護師が特定行為を行うためには、医師がその医療現場で起こり得る状況を想定し作成した手順書が必要です。

特定行為看護師がいることで期待されることは?

当院には、現在26名の特定行為看護師が活躍しています。うち認定看護師の資格を有している者が10名在籍しており、専門分野(認定看護師)+αの看護師として、医師がいなくても迅速な処置を行えることが期待されます。また、ジェネラルナースの特定行為看護師も増えてきていますので、看護師の業務の幅が広がることで、夜間や休日などの診療や訪問看護でも早期対応が可能になると考えています。

当院の特定行為看護師の紹介

当院の特定行為看護師
特定行為区分の名称 当院の人数
栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 14人
呼吸器(気道確保に係るもの)関連 6人
呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連 7人
栄養に係るカテーテル管理(末梢留置型中心静脈注射用カテーテル管理)関連 3人
創部ドレーン管理関連 2人
動脈血液ガス分析関連 8人
循環動態に係る薬剤投与関連 16人
栄養に係るカテーテル管理(中心静脈カテーテル管理)関連 1人
感染に係る薬剤投与関連 3人
創傷管理関連 5人
術中麻酔管理領域パッケージ 3人
救急領域パッケージ 9人

(令和8年4月現在) 

協力施設

  • 公益社団法人有隣厚生会 富士病院
  • 静岡県立静岡がんセンター
  • 公益社団法人静岡県看護協会
  • 焼津市立総合病院
  • 島田市立総合医療センター
  • 静岡済生会総合病院

お問い合わせ先

看護部 特定行為推進担当 森永

電話番号 054-646-1111(代表)

この記事に関するお問い合わせ先

病院人事課

住所:静岡県藤枝市駿河台4丁目1番11号
電話番号:054-646-1111(代表) ファクス:054-646-1122
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更新日:2026年04月09日