救急フォローアップ外来・PICS外来
救急フォローアップ外来
元来、救急科では急性期治療のみを担当し、その後の経過は他科や近隣の開業医に紹介することが多くありました。しかし治療の経過次第で当科が継続して診療すべき病状や、当該科が明確でない病状などもあります。また、退院後スムーズに外来治療へ移行することにより、入院期間の短縮も期待できます。
上記のことから当科では2021年より毎週火曜日午前に救急フォローアップ外来を開設しました。
PICS外来
昨今、救急・集中治療領域においてPICS(post intensive care syndrome・集中治療後症候群)の重要性が認識されはじめています。PICSは集中治療後に残存する運動機能障害、認知機能障害、精神障害の総称です。集中治療後の患者の1/4~1/2程度が発症するとされており、急性期治療を乗り越えても社会生活に復帰できない一因となっています。PICS患者を適切にフォローし治療に繋げることで、その後の社会生活への復帰の一助となると考えられます。
欧米では救命救急センター、集中治療室に付随したPICS外来を開設する施設が増加しており、この試みの成果が多く報告されるようになりました。一方、本邦においてはPICS外来を開設している施設は僅かです。
当科は地域に根差した救命救急センターとして、急性期治療のみではなく患者さんが目指す治療のゴールまで出来る限り手助けをすることが責務と考えており、退院後も積極的に介入を行う体制作りを進めています。
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更新日:2022年09月01日