12誘導心電図伝送の取り組み

2022年6月より、志太消防本部と当院循環器内科・救急科で連携し、24時間体制での12誘導心電図伝送システムを開始しました。

急性心筋梗塞を代表とする急性冠症候群における治療は、症状発症からカテーテル治療(根治治療)までの時間を短縮することが生命予後の改善につながることがわかっています。いわゆる、「時間との勝負」の代表的疾患です。

 これまでは、急性心筋梗塞が疑われる症例は、三次選定として救急外来での診療遅延に至らないように努めてまいりましたが、診療スタイルとしては、病院(救急外来)に到着してから12誘導心電図を測定すると同時に病歴や身体診察などの基本的診療と併せて評価し、カテーテル検査・治療の適応を判断していました。

しかし、救急隊活動など「病院前」の段階で12誘導心電図を測定し、患者さんが搬送されるより先に12誘導心電図の情報が病院へ送信されることで、カテーテル室の準備開始決定など、根治治療に向けて、さらなる時間短縮が期待できます。また、結果としてこれが生命予後改善につながったということが最近の研究で証明されました。

2021年11月からの当院でのラピッドレスポンスカー(RC)開始により、急性心筋梗塞を疑う症例のRC出動事案においては、病院前での12誘導心電図読影と医師による早期医療介入という時間短縮への取り組みは行っていますが、休日や夜間などのRC運行時間外や、RC出動基準該当外の急性心筋梗塞疑いの症例については介入できていませんでした。

このシステムが開始されたことで、当地域の急性心筋梗塞の患者さんへは、これまで以上によりスピーディーな診断と根治治療を、安定して提供できる体制が整いました。特に、夜間や休日などの時間帯においては大いにこの効果が発揮されることが期待できます。

12誘導心電図伝送システムイメージ図
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更新日:2022年06月16日