肩関節脱臼について

肩関節脱臼とは

手をついて転んだり、スポーツなどで腕をはじかれた際に発症します。肩関節は人体の中で最も脱臼しやすい関節で、10代20代のスポーツの場面で発症することもあります。一度脱臼をすると脱臼を繰り返しスポーツに支障が出る可能性やひどい場合には日常生活のふとした場面で脱臼することがあります。脱臼を繰り返すことを反復性脱臼といいます。

上腕骨と肩甲骨の間の関節を一般に肩関節(肩甲上腕関節)といいますが、上腕骨に対して肩甲骨の受け皿は非常に小さくゴルフのボールとティーのような関係になっています。物理的に不安定な骨同士の関係に対して周囲に関節唇と呼ばれる吸盤や関節包という袋に包まれています。一度脱臼をしてしまうと、これらの組織が破壊され脱臼を繰り返す原因となります。

治療法

初回脱臼の場合は固定し保存加療を行います。しかし、20歳以下では再脱臼率は80%以上ともいわれており、繰り返しの脱臼により日常生活やスポーツに支障がでるような時には手術加療が勧められます。年齢やスポーツの内容、組織の破壊の程度により治療法が異なります。

手術法

鏡視下Bankart修復術

破綻した関節唇(Bankart病変)と関節包を修復する方法です。アンカーというビスを関節窩(受け皿)に打ち込みます。アンカーには糸が通されており、その糸を使用して破綻した組織を修復します。

鏡視下Bankart修復術

烏口突起移行術

ラグビーや柔道などのコリジョンスポーツと呼ばれる激しいスポーツをやる患者さんに勧められます。烏口突起と呼ばれる部位から共同腱をつけたまま関節の前方に移植を行います。骨が生着し安定すればスポーツに復帰可能となります。いずれの方法も3-4週間程度固定を行います。4-6か月程度スポーツへの復帰に要します。その間リハビリやジョギングなどの体力つくりを合わせて行います。

烏口突起移行術
この記事に関するお問い合わせ先
整形外科

住所:静岡県藤枝市駿河台4丁目1番11号
電話番号:054-646-1111(代表) ファクス:054-646-1122
お問い合わせはこちらから

更新日:2024年04月01日