肩腱板について

肩腱板断裂とは

腱板とは上腕骨と肩甲骨をつなぎ、肩を安定化させる4つの筋肉(棘上筋・棘下筋・肩甲下筋・小円筋)のことを指します。腱板は骨と骨(肩峰と上腕骨頭)にはさまれているという解剖学的関係と、腱板の老化により断裂します。60歳台では10%、70歳では30%、80歳台では50%が断裂しているといわれています。五十肩と思われていたものも技術の発展により小さな断裂の診断がつくようになり有病率が増加しています。

明らかな外傷によるものは半数で、残りははっきりとした原因がなく、日常生活動作の中で断裂が起きます。男性の右肩に多いことから、肩の使いすぎが原因となってことが推測されます。断裂には完全断裂と不全断裂があり、断裂の程度や断裂部の状態などにより治療が異なります。

治療法

断裂していても症状がないか軽度の人がほとんどです。症状があっても保存療法で70%程度の方が軽快するといわれています。そのため、当院では保存療法を最初に行っていただきます。しかし、断裂した腱板が治癒することはありません。そのため仕事や年齢、受傷起点などによっては保存療法ではなく手術療法を早期に勧める場合があります。

また、保存療法で肩関節痛と運動障害が治らないときは手術を行ないます。手術は関節鏡を用いて行っています。関節鏡視下手術の方が低侵襲で、手術後の痛みが少ないですが、大きな断裂では直接皮膚に切開をいれて筋肉を移行する手術(棘下筋回転移行術など)を行います。

手術法

アンカーというビスを骨に打ち込みます。アンカーには糸が通されており、その糸を使用して腱板を骨に圧着します。断裂の部位や大きさによって手術時間が異なります。圧着した腱板が骨と癒着するまで安静が必要です。そのため手術後は約3~6週間の固定と6ヵ月程度の機能訓練を行います。

腱板断裂手術

腱板断裂手術

肩甲下筋断裂修復術

肩甲下筋断裂修復術
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整形外科

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更新日:2024年04月01日