肩関節周囲炎(五十肩)について
肩関節周囲炎(五十肩)とは
肩の痛みで整形外科を受診される患者さんは腰痛でこられる患者さんの次で2番目に多いと言われています。その中で、「最近五十肩がひどくて…」「前に病院・接骨院で五十肩といわれた。」などと言われながら来られる患者さんが多いです。五十肩は医学用語では肩関節周囲炎、拘縮があれば凍結肩のように診断します。これらは腱板断裂などの原因の明らかな他の疾患が除外された場合に診断されます。おおまかに言えば「五十肩」とは、“特に原因がはっきりしない中年以降におこる肩の痛みと運動制限をきたす症候群”を指します。
治療法
基本的には当院ではまずは保存加療を行います。症状の経過として炎症期・拘縮期・寛解期にわけられます。
炎症期
安静時の痛み、夜間痛などが主な症状です。この時期には積極的な肩のリハビリは行わず、炎症・除痛を目的とした注射や内服加療を行います。
拘縮期
炎症期がすぎて強い痛みが徐々に緩和されます。しかし、炎症期に肩関節の筋肉や靭帯、関節包などが固まってしまう時期です。炎症を再燃させないように注意しながらストレッチや筋力強化を行い可動域の改善を行います。
寛解期
炎症の痛みが過ぎて徐々に日常生活が改善してきます。
また、保存療法で可動域が改善しないときは手術を行ないます。

手術法
関節鏡を用いて固くなった関節包を切離します。術後は早期にリハビリを行い再拘縮を予防します。また、関節鏡を用いず非観血的に行うこともありますが、脱臼や骨折のリスクもあるため、当院では関節鏡を用いた手術を推奨しています。
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更新日:2024年04月01日