臨床検査科
臨床検査とは
患者さんから採取した血液や尿、体腔液などを検査する検体検査と、患者さんの身体に装置を付けて直接検査する生理検査があります。
臨床検査科では医師からの依頼のもと、各種検査を行い、診療側へ結果を返しています。
また、機器のメンテナンスや検査データの精度管理を毎日行い、外部精度管理に参加することで、より正確なデータの報告に努めています。
スタッフ紹介と資格
スタッフ紹介
臨床検査技師 | 常勤 20名 非常勤 4名 |
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診療放射線技師 | 常勤1名 |
事務 | 4名 |
(令和6年4月1日時点)
学会認定ライセンス
認定輸血検査技師 | 1名 |
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認定臨床化学・免疫化学精度保証管理技師 | 1名 |
二級臨床検査士(臨床化学) | 1名 |
二級臨床検査士(微生物学) | 2名 |
二級臨床検査士(血液学) | 1名 |
臨床細胞検査士 | 1名 |
国際細胞検査士 | 1名 |
第一種衛生管理者 | 2名 |
衛生工学衛生管理者 | 1名 |
緊急臨床検査士 | 2名 |
心電図検定2級 | 1名 |
心電図検定3級 | 5名 |
心電図検定4級 | 2名 |
肝炎コーディネーター | 1名 |
がんゲノム医療コーディネーター | 1名 |
上級バイオ技術者 | 1名 |
初級聴力測定技師 | 1名 |
臨床試験コーディネーター | 1名 |
(令和6年4月1日時点)
検査科統計
業務分類 | 部署 | 令和2年度 | 令和3年度 | 令和4年度 |
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検体検査 | 生化学検査 | 1,863,977 | 1,987,401 | 2,063,980 |
免疫検査 | 103,564 | 108,717 | 114,578 | |
一般検査 | 80,085 | 75,258 | 81,579 | |
血液検査 | 308,228 | 331,915 | 346,281 | |
細菌検査 | 47,599 | 47,848 | 50,313 | |
生体検査 | 生理学的検査 | 41,619 | 41,872 | 41,719 |
製剤名 | 令和2年度 | 令和3年度 | 令和4年度 | |
---|---|---|---|---|
赤血球製剤 | 単位 | 3,448 | 3,956 | 4,144 |
濃厚血小板 | 単位 | 2,170 | 2,110 | 3,005 |
新鮮凍結血漿 | 単位 | 1,036 | 1,012 | 922 |
アルブミン製剤 | 単位 | 4162.5 | 4170.8 | 4533.3 |
自己血 | 赤血球単位 | 686 | 635 | 753 |
FFP単位 | 56 | 18 | 12 |
検査名 | 令和2年度 | 令和3年度 | 令和4年度 |
---|---|---|---|
不規則抗体検査 | 4,417 | 4,747 | 5,305 |
ABO血液型検査 | 6,404 | 6,809 | 7,395 |
部門紹介
外来採血
場所 | 1階3ブロック 中央採血室・処置室 | ||
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採血時間 | 午前8時~午後5時15分 | ||
採血人数 | 300~400人/日 | ||
スタッフ | 臨床検査技師、看護師、看護助手、委託職員 | ||
業務内容 | 外来採血及び尿検査受付 持参検体の受け取り(喀痰、便潜血検査、畜尿、持参尿など) 自己注射、血糖測定の針の回収 |
- 午前中の採血は、患者さんが集中するため待ち時間が長くなることがあります。
- 検査によって採血の順番が多少前後することがあります。
- 即日検査では、30分~90分ほどで採血結果が出ます。検査項目によって所要時間が異なります。
- 検体(血液、尿など)は20分間隔で回収し、2階の検査室で検査します。
採血される方へ
- ひじの上まで出るような服装でお願いします。
- 消毒用アルコールにアレルギーのある方は事前にお知らせください。消毒用アルコール以外の消毒薬で対応します。
- 以前採血で気分が悪くなったことがある方、ベット採血をご希望の方はお気軽にお申し出ください。
- 透析で腕にシャント確保をされている方は採血担当者へお知らせください。
- 採血後は5分以上押え続けてください。また杖や荷物を持つなどの力が入る動作は、なるべく採血した腕の逆側で行ってください。
採血の流れ
1. 診察券を採血採尿受付機に投入してください。
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2. ピンクの採血整理券が発行されます。尿カップがあれば取り出してください。診察券の取り忘れにご注意ください。
↓
3. 採血の順番が近づきましたら、採血案内モニターに受付番号が表示されます。採血室にお入りください。
※不在の場合は、受付番号が下段の黄色部分に表示されますので、窓口まで行き声をおかけください。
↓
4. 採血室に入りましたら、中待合のイスに掛けて採血の順番をお待ちください。
※上着を脱いでお待ちいただくと、採血時間の短縮になります。
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5. 順番が来ましたら、採血台のモニターに採血番号が表示されます。採血台までお越しください。
その際、受付ファイルとピンクの採血整理券は採血担当者に渡してください。システムにて認証を行います。
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6. 採血担当者から氏名の確認をさせていただきます。同姓同名がいる場合には、生年月日もお伺いしています。
また採血管、尿カップの名前の目視確認をお願いしていますのでご協力お願いします。
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7. 採血中に違和感(気分不快、しびれ、痛みなど)がありましたら、我慢せずにただちに申し出てください。
◎午後診察予約の患者さんの採血が落ち着く14時以降がおすすめです。
2022年1月1日より共用基準値を採用しました。
生化学・免疫検査
検体を投入すると背面のレーンを流れて、各検査機器へ測定に行き、最終収納部へ片づけられます。
生化学検査
患者さんから採取した血液や尿に含まれる様々な化学物質を測定し、身体の健康状態、病気の診断や治療効果の判定を行う重要な検査の一つです。
当院では生化学自動分析装置を使用して、肝機能(AST、ALTなど)、腎機能(クレアチニンなど)、糖代謝(血糖、グリコヘモグロビン)、脂質検査(コレステロールなど)、炎症物質(CRP)など43項目の検査を行っています。
免疫検査
B型、C型肝炎ウイルスやヒト免疫不全ウイルス(HIV)などの感染症検査や、インスリンや甲状腺ホルモンなどの内分泌検査、腫瘍細胞が産生するタンパク質(腫瘍マーカー)の測定をしています。
また心疾患の病態を把握するため、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)、心筋梗塞の判定(トロポニン)、抗てんかん薬、抗不整脈剤の血中濃度の測定もしています。
コロナ抗原検査専用特殊検査室
コロナ検査
コロナ検査はコロナ抗原定量検査を行っています。患者さんの鼻咽頭を綿棒でぬぐい、前処理後専用機械で測定しています。採取後約1時間で結果が判明します。
一般検査
血液以外の尿・便・体腔液(胸水、腹水、髄液、関節液など)を調べる検査のことです。
尿検査
尿検査は、泌尿器系だけでなく、全身の状態や病気の診断・治療効果などを、痛みを伴わずに把握することができるとても有用な検査です。
試験紙薬を用いて、糖、蛋白、潜血などの検査を行い、分析器と顕微鏡で尿中の細胞や結晶などの成分を調べます。
全自動尿中有形成分分析装置
必要に応じて尿を顕微鏡で確認します
便検査
便検査では、主に潜血検査を行っています。消化管(主に大腸)からの出血を調べることで、大腸癌の早期発見に役立ちます。また顕微鏡で寄生虫の有無を調べる検査なども行っています。
体腔液検査
血液検査
血液検査では、血球計測検査、血液形態検査、凝固検査を行っています。
多目的自動血球分析装置
血球計測検査
血液中の赤血球、白血球、血小板の数や形を機器での測定と顕微鏡での観察を行っています。
血球計測検査は、日常診療や健康診断などでも行われる基本的な検査で、赤血球数、白血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット、血小板数を算定します。
赤血球、白血球、血小板はそれぞれ生命活動を維持するために大切な役割を果たしており、貧血や感染症、白血病などを診断するのに重要な検査です。
血液形態検査
一滴の血液をスライドガラスに塗抹し、染色後、顕微鏡下で個々の細胞の形や大きさに異常がないかを観察します。
鏡検風景
末梢血液像
全自動血液凝固測定装置
凝固検査
血液を固める作用、固まりすぎるのを抑制する作用、血栓を溶かす作用がきちんと機能しているかを調べる検査です。
手術をするときや抗凝固療法のモニタリング、病態の把握などの診断に役立てられています。
輸血検査
体の中で血液をつくる機能が低下して貧血した場合や出血した時に、血液成分を補充する目的で輸血を行います。
その際、副作用を起こさないようにするために、血液型検査や輸血血液との適合検査などを実施しています。
また、手術中に自分の血液を輸血する自己血輸血のための採血と保管も行っており、適切で安全な輸血療法に努めています。
細菌検査
細菌検査室では感染症を正しく診断するために喀痰、咽頭粘液、便、尿、膿、血液などの材料を使って感染の原因となる菌の同定(菌の名前を見分ける検査)を行っています。さらに適切な治療薬を決定するために感受性検査(どの薬が治療に効果があるかを調べる検査)を行います。
近年患者が増えてきている結核菌の検査や、以前世間を騒がせた大腸菌O-157などの食中毒の原因菌の検査もおこなっています。
生理検査
27番が目印です
生理検査室では検体検査と異なり、いろいろな装置を用いて患者さんの身体を直接検査しています。代表的な検査には、心電図検査・呼吸機能検査(肺活量)・脳波検査等があります。
検査する内容によっては時間が異なり、1時間以上かかる場合もあります。また、検査によっては患者さんの協力と努力が必要な場合があります。
安心してリラックスした状態で検査をしていただけるよう、わかりやすい説明を心がけています。わからないことがありましたら、お気軽に声をかけてください。
心電図検査
呼吸機能検査
トレッドミル検査(運動負荷試験)
脳波検査
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更新日:2024年06月17日