医療コラム
熱中症の予防と対策(執筆者:副院長兼救命救急センター所長 三木靖雄)
「たばこ肺」万病のもと~静岡新聞夕刊より(執筆者:副院長 小清水直樹)
熱中症の予防と対策
執筆者 副院長兼救命救急センター所長 三木靖雄
毎年、気候変動による暑い夏が来て、熱中症で病院に搬送される患者さんが徐々に増加しています。
屋外での熱中症については、運動や作業の間にこまめに水分を摂取することが大事だということがテレビなどで繰り返し放映され、市民のみなさんの間にも浸透してきているかと思います。救急の現場でも、屋外で熱中症になった方は、早期に発見されて軽症で搬送されるケースが多いです。(とはいえ、夏の日中、気温が上昇する時間帯の屋外活動は、熱中症のリスクが高いので、控えた方が良いのですが)
さて、この地域では高齢者の熱中症が多く、7~9月まで、多くの患者さんが当院に搬送されてきますが、実は高齢者の場合、屋外で熱中症になる方は少なく、ほとんどが屋内で熱中症になります。
熱中症の原因は、環境によるものが大半を占めます。高齢者は自室で冷房などを使用せずに生活しているケースが少なくありません。さらに、屋内の風通しが悪いと、湿度も上昇します。高湿度の環境では、汗が蒸発しにくくなり、体温調整が充分に働かず、体温が急激に上昇し、熱中症になることがあります。
予防としてはまず、冷房をこまめにつけることです。高齢者の方は暑さを感じない事が多く、「今日はまだ良いか」と冷房をつけないことがしばしばあります。暑い時期は意識して冷房をつけるようにしましょう。また、冷房をつけない場合でも、湿度対策として部屋の風通しを良くしておくことが重要です。新型コロナウイルス感染症の感染対策にもなりますので、しっかりと室内の空気の入れ替えを行いましょう。
もちろん、室内でもこまめな水分摂取は必要です。ただし、水道水ではなく、塩分を含む飲料を飲むようにしましょう。自分が子供の頃は、母親が麦茶に少し塩を入れて作ってくれました。これも昔ながらの知恵ではないでしょうか。
※本記事は青島第五自治会コミュニティ誌「ふれあいだより」20
「たばこ肺」万病のもと
執筆者 副院長 小清水直樹
令和4年7月26日(火曜日)、当院の副院長で日本呼吸器学会認定呼吸器指導医の小清水直樹が、静岡新聞の夕刊に「たばこ肺」についての記事を掲載させていただきました。
当該記事はこちらのページでも公開していますので、ぜひご覧ください。
(静岡新聞社編集局調査部許諾済み)
「たばこ肺」万病のもと(静岡新聞7月26日夕刊)(PDFファイル:288.4KB)
県内での活躍を願って~研修医と登る高草山
執筆者 院長 中村 利夫
臨床研修基幹病院である藤枝市立総合病院には、医師免許を取得した研修医が卒後2年間の初期研修をするプログラムがあります。毎年、全国の様々な大学から研修医の応募があり、令和4年度には初期研修医30人が在籍しています。1年目は内科、外科、小児科、産婦人科などで基本的な手技や知識を身に付けます。2年目は自分が進みたいと考える専門分野を中心に研修を受けます。この2年間を通し救急医の指導の下で救命救急センターに搬送されてくる患者さんへの救急対応を実践する力を養います。
こうした厳しく充実した研修に欠かせないのは、指導医とともに研修する多くの仲間です。当院の研修は「屋根瓦式教育」です。少しずつ重なり合うことで強さが増す屋根瓦のように、教える側、教えられる側が熱いつながりを持ち、互いに成長していくチーム指導体制です。
そうした研修医同士の絆を深めるため、当院では毎年、研修オリエンテーションが終わる頃に、親睦を兼ね指導医と研修医みんなで低山登山をします。かつては歓迎会もやっていましたが、新型コロナの感染拡大以降は密が避けられる登山だけを続けています。本年は高草山に登りました。高草山山頂(501m)からは駿河湾と志太平野を望め、眼下には藤枝市、焼津市、島田市、牧之原市、吉田町の5自治体があり、藤枝市立総合病院に受診される患者さんが暮らす二次医療圏が広がっています。
全国各地から初めて当地に来た研修医に、これからの2年間に診療する患者さんたちの暮らす地域を、漠然とではなく、じかに目にしてもらう良い機会と考え、研修の初めにこの登山を計画しています。
当院の救命救急センターは7月現在、救急医9人体制で救急病床20床を有し、救急患者数も多く、外科系・内科系各科の指導医のバックアップ体制も整っています。研修期間を終える頃の研修医は成長し面構えも変わり、後輩の研修医を指導しながら、救急車が来ても動じることはありません。
静岡県は人口当たりの医師数が全国40位と平均を大きく下回る医師少数県といわれています。充実した医療提供体制の維持に医師確保は必須の課題です。若い彼らが将来立派な医師に成長した時、研修医時代に高草山山頂から見た志太平野の景色を、そして、そこに住む人々の健康と命を守る大切さを思い出し、県内で活躍してくれることを願ってやみません。
三矢の訓~静岡新聞夕刊「窓辺」より
執筆者 藤枝市病院事業管理者 毛利 博
令和3年10月から12月までの3か月間、当院の事業管理者で静岡県病院協会長の毛利博が、静岡新聞の夕刊コラム「窓辺」に記事を連載させていただきました。
当該記事はこちらのページでも公開していますので、ぜひご覧ください。
(静岡新聞社編集局調査部許諾済み)
第1回「山賊と海賊の遺伝子」(静岡新聞10月5日夕刊) (PDFファイル: 447.4KB)
第2回「新型コロナウイルス感染症の恐ろしさ」(静岡新聞10月12日夕刊) (PDFファイル: 459.3KB)
第3回「医療逼迫はなぜ起きたか」(静岡新聞10月19日夕刊) (PDFファイル: 3.5MB)
第4回「日本は本当に医療先進国か」(静岡新聞10月26日夕刊) (PDFファイル: 469.7KB)
第5回「新型コロナ後に向けた医療体制」(静岡新聞11月2日夕刊) (PDFファイル: 590.2KB)
第6回「医は仁術なり」(静岡新聞11月9日夕刊) (PDFファイル: 564.8KB)
第7回「聖職」から「労働者」へ(静岡新聞11月16日夕刊) (PDFファイル: 594.9KB)
第8回「高齢社会と医療のICT化」(静岡新聞11月23日朝刊) (PDFファイル: 578.0KB)
第9回「避けては通れない道」(静岡新聞11月30日夕刊) (PDFファイル: 571.1KB)
第10回「病院の未来はどうなるか」(静岡新聞12月7日夕刊) (PDFファイル: 586.2KB)
第11回「全人的医療とは」(静岡新聞12月14日夕刊) (PDFファイル: 574.6KB)
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更新日:2023年07月19日