AI技術を活用したCT装置を導入しました
藤枝市立総合病院では令和4年12月5日(月曜日)より、AI技術を活用した最新のCT装置を導入しました。
装置の特徴
この度、新規に導入したCT装置は、キヤノンメディカルシステムズ株式会社が2020年1月に発表した「Aquilion ONE / PRISM Edition」です。県内での導入は当院がはじめてとなります。
検出器列数 | 320列 |
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検出器1列あたりの撮影幅 | 0,5mm |
CT装置1回転あたりの撮影幅 | 16cm |
CT装置が1回転するのに要する時間 | 0.275秒/回転 |
「Aquilion ONE」シリーズの特徴は、検出器の列数が多く、CT装置1回転あたりの撮影幅が16cmと広くとれることです。ほとんどの検査が、CT装置を1回転させるだけで完了できるため、短時間、低被ばく、低造影剤量と、患者さんへの負担が少ないというメリットがあります。
さらに今回導入する「Aquilion ONE / PRISM Edition」には、以下の特徴があります。
AI技術による画像の高品質化/検査の被ばく量減
AI技術のひとつである「深層学習(Deep Learning)」の技術を用いて撮影画像中のノイズを特定し、ノイズだけを取り除くことで高品質の画像を得ることができます(※)。
少ない被ばく量で、精度の高い画像を撮影することができるため、患者さんへの負担がより少なくなるというメリットがあります。
患者被ばく最適化のための「日本の診断参考レベル(2020年度版)」と比べて、従来装置は同等の被ばく線量で撮影を行っておりましたが、Aquilion ONE / PRISM Editionでは半分程度の被ばく線量で同等以上の画質を得ることができるようになります。(検査内容、患者体型等により必要な被ばく線量は異なります)
※CT装置に搭載されているコンピューターは既に「深層学習」済みのため、当院で撮影された画像を深層学習に用いることはありません。
AI技術による画像の高精細(心臓領域)
「深層学習」及び「超解像」を応用した画像の再構成技術で撮影した心臓領域の画像を再構成し、より精細な画像を描出することができます。具体的には、これまでは評価が難しかったステント内部の様子まで確認ができるため、ステント治療後の診断がより正確に行えるようになります。
最新のCT装置を導入することで、これまでよりも患者さんへの負担が少ない検査で、これまで以上に正確な診断ができるようになります。安心して受診していただくようお願い申し上げます。
【地域の医療機関の皆様へ】
当院は、「地域医療支援病院」として医療機器の共同利用も積極的に行っております。本CT装置も地域の医療機関での診療に有効に活用していただければ幸いです。
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更新日:2022年12月09日