藤の花かんかんネットがACP「人生会議」をテーマに勉強会を開催しました

会の様子

会の様子

藤枝市内の医療機関や訪問看護ステーションに所属する看護師たちが連携を図る「藤の花かんかんネット」(事務局:藤枝市立総合病院)は17日、同市茶町の市生涯学習センターで主に終末医療における「人生会議」の意義を考える勉強会「~自分らしく生ききるために~“わたしのおもいをつぐむ”」を初めて開催しました。申し込み不要、入場無料の催しに市民ら110人の参加があり、高齢社会を背景にした関心の高さを見せました。

人生会議は「アドバンスケア‐プランニング」(ACP)の愛称。ACPは人生の最終段階を想定し、患者さんなど会議の主人公とその家族、医師・看護師・介護従事者が感じたり考えたりしていることを話し合い、対象者の人生観や価値観・希望に沿った医療及びケアを具体化することが目標です。この過程で積極的な延命治療の継続や中止についての選択なども行います。

達家(たつや)好美(よしみ)藤の花かんかんネット代表(藤枝市立総合病院副院長)は、開会あいさつの中で「皆さんもご自分の命や最期のことを考えてほしい。この催しが人生を考えてもらう機会になれば」と呼び掛けました。

プログラムは3部構成。最初に、終の棲家(すみか)を考える会「ついすみ大洲」が「人生会議」をテーマに会員10人で朗読劇を披露しました。「住み慣れた自宅で最期まで暮らしたい」と言う年老いた母を交えて、長男・次男・三男の夫婦がそれぞれの思いを語り合い、最後に母から命の輝きを学ぶストーリー。演者とナレーターが15分間の熱い舞台を展開しました。

次に、在宅看取りを終えた家族らが実体験を報告しました。母の最期の1週間を自宅で看取った娘さんは、こみあげてくる思いを吐露しながら「住み慣れた自宅で最期の時をゆっくり過ごせてよかった」と話す一方、「介護する人が追い詰められないようにすることが大事」と教訓を語りました。

法被を着て講演する松田医師

法被を着て講演する松田医師

講演会では講師の松田真和医師(菊川市家庭医療センター長)が、「自分らしく生きるために、今からできること」と題し人生会議の意義を語りました。松田医師はこの中で「生き方に焦点を当て、自分の人生が何を求め、何を問い掛けているのか、前向きに考えることが人生会議。生き抜くことの強さを強める会議と思っている」と話しました。

この催しは活動の幅を広げる新たな取り組みを展開している藤の花かんかんネットが、一般社団法人静岡県看護協会助成事業の公募に応じて初めて取り組みました。

この記事に関するお問い合わせ先
藤枝市立総合病院

住所:静岡県藤枝市駿河台4丁目1番11号
電話番号:054-646-1111(代表) ファクス:054-646-1122


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更新日:2023年12月21日