初期研修を終えての感想

令和6年度初期研修修了 F.K
2年前の4月、研修医としての生活に期待と不安で胸を高鳴らせたことがつい先日の出来事のように感じられます。「先生・・。」と呼ばれ、メディカルスタッフからは指示を求められ、患者さん・家族からは病態についての説明を求められることに自信がなく、不安でしかなかった日々・・。目にするものすべてが新たな体験であり、静脈採血すら手が震えていたことを鮮明に思い出すことができます。
朝採血では、何度も失敗し、時間もかかり、患者様から叱られてしまったこともありました。初めての当直では、1年上の先輩方の素早い対応や判断を目の当たりにし、マニュアルを片手にオロオロし、“自分が患者様にどれだけのことができるのか?”、“自分は目の前の患者さんを救うことができるのだろうか?“命の重みを感じれば感じるほど“自分で大丈夫なのか?”と不安で押しつぶされそうになったことや救急車のサイレンを聞くだけで眠れなくなったこともありました。縫合処置、点滴ルート確保や患者様との関係の築き方、看護師さんを始めとするメディカルスタッフとの連携の取り方など、スムーズにいかず、苦悩と葛藤の連続でした。
そんな中、上級医の先生方はいつも丁寧にご指導くださいました。また、様々な経験のチャンスをくださり、いつも後ろで見守り、困ったときは助けてくださいました。各科ローテートにおいて、様々な経験をさせていただいたことで、徐々にできることが増え、医師としてのやりがいを感じるようになりました。入院患者様の様子が気になり、休日にも病院に足を運び、安定している状態に安堵したこともありました。本当に多くのことを学ばせていただき、少しずつでも任せていただけることが増えるに連れ、自信をもって診療に携われるようになりました。知識も経験も十分ではない私たちに手厚く指導していただける恵まれた環境であったと痛感しています。
自分の初期研修の目標は、“医師として働く上での土台をしっかりと築き、これから出会う患者さん一人一人に向き合い、精神的にも成長をしていくこと”でした。気負わずに、まず自らの無知を知ること、そして、患者さん一人一人と真摯に向き合い、一生懸命調べて考えることの大切さを教えてくれたのは、先輩研修医と同期研修医でした。個人で全ての知識を極めることは難しいことですが、お互いの知的好奇心を刺激し合いながら、ともに成長することができたように思います。
2年間におよぶ初期研修医としての生活も終わりを迎え、医師としてようやく自分の専門分野のスタート地点に立とうとしています。新たな責任と決意を持って後期研修のスタートを切りますが、謙虚さを忘れず、2年間の研修で培った知識および経験を活かし、医師は患者様のためにあるということを心に刻み、藤枝での経験を土台に一層精進していこうと思っています。医師としての第一歩をこの藤枝市立総合病院で踏み出すことが出来たことは、自分にとって大きな財産であり、誇りだと思っています。
- この記事に関するお問い合わせ先
-
教育研修センター
住所:静岡県藤枝市駿河台4丁目1番11号
電話番号:054-646-1111(代表) ファクス:054-646-1122
お問い合わせはこちらから
更新日:2025年05月20日