がんゲノム医療センター
がんゲノム医療センターの紹介

がんゲノム医療センターと臨床研究センターのスタッフ一同
藤枝市立総合病院は令和5年3月1日(水曜日)付で「がんゲノム医療連携病院」に指定されました。志太榛原二次医療圏では初の指定となります。
「がんゲノム医療」とは、採取したがん組織を基に多数の遺伝子情報を同時に調べることで患者さん一人ひとりのがんの性質を明らかにし、体質や病状に合わせた治療を行うオーダーメイド治療です。
多くの患者さんに「がんゲノム医療」を適切に受けていただくために、厚生労働省は「がんゲノム医療」を行う医療機関を特定の施設に集約して整備する指針を定めています。
この度「がんゲノム医療連携病院」の指定を受けたことで、当院での「がんゲノムプロファイリング検査(がん遺伝子パネル検査)」が可能になりました。この検査によってより多くの遺伝子を対象に異常を検出でき、がんを抑える可能性のある薬剤を適切に選択することができます。
今後は、がんゲノム医療中核拠点病院である静岡がんセンターと連携し、がんゲノム医療を実施していくとともに、遺伝子カウンセリングやがんゲノム医療に関する情報提供などにも取り組んでいきます。
目次
がんゲノム医療について
がんゲノム医療って何?
がんは、主に遺伝子に傷がつくことで発生します。がんゲノム医療は、「体のどこにがんができたか」でなく、がんの原因となる「がん遺伝子の変化」を調べ、その情報に基づいて診断・治療する医療です。
既に現在では、ある特定の遺伝子変化を標的とした治療薬(分子標的治療薬)が保険診療で使用されています。
がん遺伝子パネル検査について
がん遺伝子パネル検査って何?
がん遺伝子パネル検査は、その遺伝子の変異に合う薬があるかどうかを調べる検査です。検査の結果、遺伝子変異が見つかり、その遺伝子変異に対して効果が期待できる薬がある場合は、保険診療や臨床試験なども含めてその薬の使用を検討します。
がん遺伝子パネル検査の方法は?
検査は、手術・生検などで採取したがんの組織や血液を用いて、高速で大量のゲノム情報を読み取る「NGS:次世代シークエンサー」という解析装置で、1回の検査で数十個から数百超の遺伝子を同時に調べます。
検査で分かることは?
- 患者さんの腫瘍細胞に見られる遺伝子の変化
- 治療効果が期待できる国内で承認済みの治療薬情報
- 治療効果が期待できる国内の臨床試験(治験等)中の治療薬情報
- 国内未承認、海外で承認済みあるいは臨床試験(治験等)中の治療薬情報
出典:国立がん研究センターがん情報サービス
当院で受けられる検査は?
FoundationOne CDx がんゲノムプロファイル (組織検体、保険適用) |
がんに関連した324遺伝子を調べます |
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FoundationOne Liquid CDx がんゲノムプロファイル (血液検体、保険適用) |
がんに関連した324遺伝子を調べます |
検査の対象者は?
保険診療では一定の条件があります
- 標準治療で効果がなく、次の治療を探している固形がんの患者さん
- 原発不明がん(がん発生臓器がはっきりせず、転移巣だけが大きくなったがん)の患者さん
- 標準的な治療法が確立されていない希少がん(患者数が少ない稀ながん)の患者さん
- 本検査実施後に検査結果をもとに化学療法が実施できると主治医が判断した患者さん
出典:国立がん研究センターがん情報サービス
検査の流れと費用について
検査の流れについて
検査費用について
FoundationOne CDx がんゲノムプロファイル(組織検体、保険適用) (PDFファイル: 209.9KB)
FoundationOne Liquid CDx がんゲノムプロファイル(血液検体、保険適用) (PDFファイル: 215.6KB)
がん遺伝子パネル検査 申込方法
がん遺伝子パネル検査が行える患者さんは上記の対象者で、1、2を満たす方になります。
- ECOG PSが0または1の方 参考:ECOG PS(PDFファイル:30.4KB)
- 生命予後が3か月以上見込める方

予約申し込み
通常のご紹介と同様に、下記の書類を地域医療連携室宛にファックスしてください。
提出書類
- 地域連携患者受診申込書(Excelファイル:41.7KB)
- 通常の紹介状(貴院様式で可能です。)
(がんゲノム医療センター宛にお願いいたします。) - 病理レポート
ファックス送信先
【地域医療連携室】
ファックス 054-646-1380
ファックス 054-646-1176(志太医師会用)

受け入れ可否のご連絡
当院がんゲノム医療支援センターにて、”がん遺伝子パネル検査”対象かどうか判断し、受け入れの可否をご連絡いたします。
※提出していただいた病理レポートより、当院の病理医から貴院の病理医へ連絡する場合がありますので、ご了承ください。

予約の完了
受け入れ可の場合には、予約をお取りし、ファックスにて受診票を送付いたします。
がん遺伝子パネル検査専用の紹介状を作成いただき、受診までに専用紹介状および病理検体を送付願います。
提出書類
”がん遺伝子パネル検査用 診療情報提供書(Excelファイル:22.7KB)
【記載例】がん遺伝子パネル検査用 診療情報提供書(PDFファイル:873.6KB)

受診
予約受付完了後、対象となる診療科へお願いします。
※当院での診察結果によっては、最終的に検査不適と判断された場合には、検査が行われないこともありますので、その可能性について事前に患者様にお伝えください。
窓口は該当する専門診療科となりますが、がん腫によってはがんゲノム医療センターにて対応させていただきます。
コンパニオン診断のみを目的とした遺伝子パネル検査が必要となる症例については、お断りさせていただいております。
遺伝カウンセリング外来について
外来日について
毎月第2火曜日(14時、15時)に開設しております。
相談内容等について
遺伝と病気に関する疑問や悩み(例:自分のがんが遺伝と関係するものと聞いたがよく分からない、家族や親戚ががんにかかった人が何人もいるので自分も心配等)についての情報提供の場として行っています。
面談費用について
1時間まで5,500円(税込み)、以後1時間ごとに5,500円(税込み)
※面談費用に関しましては、今後変更の可能性があります。
※検査にかかる費用は、別途請求となります。
予約の取り方について
全て事前予約となります。
問い合わせ先
緩和ケア支援室までお問い合わせください。
受付時間:平日(月曜~金曜日)午前8時30分~午後5時15分
電話番号:054-646-1111(代表)内線2193
スタッフ紹介
職種(所属) | 氏名 |
---|---|
所長・医師(消化器内科) | 吉井 重人 |
医師(呼吸器外科) | 江間 俊哉 |
医師(小児科) | 久保田 晃 |
医師(外科) | 姜 建宇 |
医師(乳腺外科) | 長谷川 聡 |
医師(呼吸器内科) | 松浦 駿 |
医師(乳腺外科)(臨床遺伝専門医) | 瀧 由美子 |
医師(泌尿器科) | 田嶋 健一 |
医師(産婦人科) | 松木 翔太郎 |
医師(病理診断科) | 伊藤 以知郎 |
看護師(緩和ケア支援室) | 藤井 ゆかり |
臨床検査技師(病理検査科) | 海野 幸子 |
薬剤師(薬剤部) | 松下 雅昭 |
看護師(緩和ケア支援室) | 遠藤 友香 |
臨床検査技師(臨床検査科) | 木村 敢一 |
医師(緩和ケア科) | 吉野 吾朗 |
薬剤師(薬剤部) | 森下 智香子 |
医師(内分泌内科) | 森田 浩 |
放射線技師(診療技術部) | 天野 守計 |
看護師(患者相談室) | 鈴木 みどり |
社会福祉士(患者相談室) | 山口 雅由美 |
事務職員(医事管理課) | 塩澤 裕司 |
医師(臨床遺伝専門医)※非常勤 | 岩泉 守哉 |
認定遺伝カウンセラー※非常勤 | 大澤 春萌 |
診療情報管理士(医療情報分析室) | 岡嶋 昌典 |
診療情報管理士(医療情報分析室) | 杉山 瑞波 |
参考
「がんゲノム医療中核拠点病院」及び「がんゲノム医療連携病院」について
がんゲノム医療中核拠点病院
がんゲノム医療をけん引する高度な機能を有し、診療だけでなく臨床研究、治験、研究開発、人材育成なども担うがんゲノム医療の中核となる医療機関です。
がんゲノム医療連携病院
がんゲノム医療中核拠点病院などと連携してがんゲノム医療を行う病院です。
分類 | 病院名 | 備考 |
---|---|---|
がんゲノム医療中核拠点病院 | 静岡県立静岡がんセンター | |
がんゲノム医療連携病院 | 静岡県立総合病院 | |
がんゲノム医療連携病院 | 浜松医科大学附属病院 | |
がんゲノム医療連携病院 | 浜松医療センター | |
がんゲノム医療連携病院 | 聖隷浜松病院三方原病院 | |
がんゲノム医療連携病院 | 静岡県立こども病院 | |
がんゲノム医療連携病院 | 藤枝市立総合病院 | 令和5年3月1日指定 |
がんゲノム医療連携病院 | 磐田市立総合病院 | 令和5年3月1日指定 |
がんゲノム医療連携病院 | 聖隷浜松病院 | 令和5年3月1日再指定 |
「がんゲノム医療とがん遺伝子パネル検査」について
国立がん研究センター様では、患者さんや一般向けに分かりやすくがんゲノム医療やC-CATについて説明したホームページを公開しています。
下記リンクよりご覧ください。
国立がん研究センター がんゲノム情報管理センター(C-CAT)(外部リンク)
ご寄附のお願い
当院は、志太榛原二次医療圏で唯一の「地域がん診療連携拠点病院」「がんゲノム医療連携病院」として、一人でも多くの命を救うため日々、医療活動に取り組んでまいります。
今後、更に充実した救急医療を提供し、地域に貢献していくため、企業や個人の皆様方から幅広く寄附金を受け付けております。当院の運営のために、格別のご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
- この記事に関するお問い合わせ先
更新日:2025年01月06日