早期乳がんに対するラジオ波焼灼(RFA)

早期乳がんに対するラジオ波焼灼療法(RFA)を開始しました

~「乳房を切らずに、乳がんを治す」新しい選択肢~

当院では、早期乳がんに対するラジオ波焼灼療法(RFA:Radio Frequency Ablation) を開始しました。

この治療は、メスで乳房を切除せず、細い針でがんを焼いて死滅させる低侵襲な治療法です。

乳房の形をできる限り保ちながら、がんを根治することを目指します。
 

ラジオ波焼灼療法(RFA)とは?

乳がんに対して、直径1〜2mmの細い電極針を腫瘍に刺し、ラジオ波電流(約472kHz) を流して腫瘍を約70℃に加熱し、がん細胞を焼灼・死滅させる治療法です。

【ポイント】 乳房にメスを入れず、針1本でがんを治療します。
 

乳がんに対するラジオ波焼灼
ラジオ波焼灼療法のシェーマ

ラジオ波焼灼療法では、しこりに細い特殊な針を刺し、針から発生する電磁波によって組織を加熱し、変性壊死させます。
 

項目 内容
手術時間 約1時間
入院期間 4〜5日程度
麻酔 全身麻酔
保険適用 あり(2023年12月より)


 

こんな方が対象です(適応条件)

以下の条件をすべて満たす方が対象となります。担当医が詳しく診断・ご説明いたします。
 

□ 針生検で通常型の原発性乳管がんと診断されている

□ 腫瘍の大きさが1.5cm以下の単発病変(MRI・超音波検査で確認)

□ 皮膚への浸潤や皮膚所見(Delle)がない

□ 今回の乳がんに対する術前治療(化学療法・ホルモン療法・放射線治療)がない

□ 20歳以上の女性

□ 術後に放射線治療が受けられる

□ 全身麻酔・手術に耐えられる体の状態である

□ わきの下のリンパ節転移がない

※上記条件を満たさない場合は、従来の乳房部分切除術などをご提案します。
 

治療の流れ

入院〜退院

◇ 入院
     
◇ 全身麻酔
      
◇ センチネルリンパ節生検
    わきの下のリンパ節を調べ、転移がないかを確認します
      
◇ 電極針を腫瘍に刺入
    超音波画像を見ながら、腫瘍に直径1〜2mmの細い針を刺します
      
◇ ラジオ波で焼灼(約5〜10分)
    約472kHzの電流を流し、約70℃で加熱してがんを焼きます
      
◇ 入院・経過観察(4〜5日程度)
      
◇ 退院
 

退院後のフォローアップスケジュール
時期 内容 詳細
退院後〜1ヶ月後 放射線照射 治療効果を高めるため、退院後に放射線治療を行います。
3〜6ヶ月後 残存腫瘍の確認検査 造影MRI・超音波検査、および吸引式針生検を行い、腫瘍が残っていないかを確認します。
残存腫瘍があった場合 検査結果によっては、追加の手術が必要になる場合があります。
1年後以降 定期経過観察 超音波検査:6ヶ月ごと
乳房撮影(マンモグラフィ)+造影MRI:1年ごと

 

RFAと乳房部分切除の違い(早期乳がん)

比較ポイント RFA(ラジオ波焼灼) 乳房部分切除術(従来の手術)
乳房の見た目 乳房の変形が少ない
創が最小限
乳房に創が残る
変形が強く残ることがある
手術時間 約1時間
焼灼時間は5〜10分
1〜2時間
※術式等により異なります
治療成績・実績 適応を遵守すれば5年の成績は切除と同等
5年目以降の長期的予後が未知
標準的治療で長期的な補償あり
病理(がんの性質の確認) 針生検と切除標本では病理診断が10%弱の齟齬がある可能 正確な病理診断が可能
主な合併症 熱傷と感染 創部感染や出血
その他 しこりや引き連れが残ることがある 乳房をきれいに残すことも可能

※どちらの治療が適しているかは、患者さんの状態や希望を踏まえて担当医と一緒に決めていきます。
 

それぞれの「良いところ/注意点」

RFA:乳房を大きく切らずに治療できるため、傷が小さく、形の変化が少ないことが期待できます。一方で、5年を超える長期成績は蓄積中で、治療後は造影MRI・超音波・(必要に応じて)吸引式針生検などで効果を確認します。

乳房部分切除癌:がんを切除して切除標本で詳しく病理評価でき、標準治療として長期の実績があります。一方で、乳房を切開するため傷が残り、切除範囲によっては乳房の変形が目立つ場合があります。
 

よくあるご質問(FAQ)

Q. 保険は使えますか?
A. はい。2023年12月より健康保険が適用されています。

Q. 傷跡は残りますか?
A. 針を刺した小さな痕のみで、乳房の切開創はありません。

Q. 術後はどうなりますか?
A. 退院後、放射線治療を行い、その後は定期的な外来で経過観察を行います。

Q. 誰でも受けられますか?
A. 腫瘍の大きさや状態など、一定の条件を満たす方が対象です。まずは外来でご相談ください。

Q. 乳房部分切除術との違いは何ですか?
A. 乳房を切除しない点が最大の違いです。ただし、長期的なデータはまだ蓄積中のため、担当医と十分に相談のうえ治療法をお選びいただきます。
 

ご受診をご希望の方へ

当院は原則、かかりつけ医や他の医療機関からの紹介状(診療情報提供書)が必要です。

乳がんと診断された方、または治療法についてお悩みの方は、まずはかかりつけ医にご相談のうえ、紹介状をご用意ください。

特殊外来 乳腺外科関係

紹介状をお持ちでない方へ

紹介状なしでも受診は可能ですが、特別初診料(選定療養費)が別途かかります。

スムーズな受診と適切な治療のために、まずはかかりつけ医へのご相談をお勧めします。

この記事に関するお問い合わせ先

乳腺外科

住所:静岡県藤枝市駿河台4丁目1番11号
電話番号:054-646-1111(代表) ファクス:054-646-1122
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更新日:2026年04月17日