光力学診断(Photodynamic Diagnosis:PDD)を用いた経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)について
膀胱腫瘍に対する内視鏡手術であるTURBTは、長い歴史のある確立された手術ですが、残存腫瘍や腔内播種などにより、術後の膀胱内再発が30-70%の頻度で認めることに注意が必要です。
この術後の再発率を低減するために光力学診断(PDD)を用いたTURBTの有効性が示され、2017年に保険適応となりました。具体的には、5-アミノレブリン酸製剤(アラグリオ)をTURBTの数時間前に内服していただくことにより、手術時に内視鏡を用いて特殊な青い光を当てると膀胱がんの組織が赤色蛍光し、平坦な病変や微小な病変などの検出に役立つことが確認されています。これをうけて、国内の多施設共同研究として行われた前向き試験(BRIGHT study)では、従来のTURBTに比べて術後の膀胱内再発が減少することが報告されました。
当院の実例
初回切除後の再発率の比較(BRIGHT study)
治療の流れ
手術開始時間の2-4時間前にアラグリオを内服してもらいます。副作用として光線過敏症が発現することがあるため、服用してから48時間は、直射日光等の強い光は避けてください(病室ではブラインドやカーテンを閉めて過ごして下さい)。
アラグリオの副作用
- 悪心・嘔吐
- 光線過敏症
- 低血圧
- 肝機能障害
詳しくは泌尿器科担当医にお尋ねください。
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更新日:2024年04月11日