SpaceOARシステムについて
当院では、2023年6月から、SpaceOARTM留置による前立腺がん照射(寡分割照射20回)を開始しました。 通常の状態で前立腺に放射線治療を行うと、直腸に比較的高い線量の放射線があたることがあります。しかし、SpaceOARTMを患者さんに留置すると直腸と前立腺の距離を離すことができ、直腸にあたる放射線量を減らすことができるため、副作用による直腸出血などのリスクを低減することに期待がもてます。SpaceOARTMの成分は、ポリエチレングリコールと呼ばれるハイドロゲルであり、注入後約3か月間はそのまま維持され、その後約6か月かけて体内に吸収されます。 SpaceOARTMの留置により、直腸への放射線被ばくを低減できるため、1回線量の大きい寡分割照射で行うことが可能となり、今まで通常分割の35回で行っていたところを20回で行うことが可能となりました。その結果、治療効果を維持しつつ、直腸への副作用や通院回数を減らすことが可能となりました。一定の条件を満たし、SpaceOARTM留置の適応となった患者さんには、放射線治療開始予定の3-4週間程前に、あらかじめ1泊2日の入院をしていただき、泌尿器科医の手技のもと留置を行っています。 当科医師は、Boston Scientific Corporationから施行医認定を受けています。
SpaceOAR™ ハイドロゲルの注入
当科での実例
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更新日:2024年04月11日