放射線治療科
スタッフ紹介
職名 | 氏名 | 卒業年 | 学会専門医資格等 |
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科部長 | 小杉 崇 | 平成14年卒 | 日本医学放射線学会治療専門医 がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了 |
科紹介
放射線治療を専門に行っております。
放射線治療は、手術・化学療法(抗がん剤)とならんで、
がん治療の中で重要な役割を果たしております。
放射線治療の最大の特徴は臓器の温存が可能なことにあります。
その特徴を生かしつつ、他の治療法と連携しがん治療にあたっております。
専門の医師だけではなく、診療放射線技師、放射線治療品質管理士、医学物理士、看護師などスタッフがチーム作り、治療される方に満足してもらえるような優しい治療を提供します。
科の目標
施設認定
日本医学放射線学会専門医修練機関
日本IVR学会専門医修練施設
超音波専門医研修施設
マンモグラフィ検診施設画像評価認定施設
外来時間
平日 午前9時~午後4時
診察は予約制です。詳しくは放射線治療科にお問い合わせください。
診療内容
1:放射線外照射
リニアック(ライナック)による外照射を行っております。悪性腫瘍全般(一部の良性も含む)を対象とし、根治治療から緩和治療まで幅広く対応しております。
2:I-131(ヨウ素)甲状腺がん術後アブレーション(30mCi=1110MBq)
甲状腺がんの全摘術後の方にヨウ素131という放射性同位元素を内服していただくことで、術後に微量に残存する甲状腺組織を処理(アブレーション)することが可能です。これにより、再発のリスクを軽減します。
アブレーションの詳細につきましては、下記のファイルリンクからご覧下さい。
腫瘍・免疫核医学研究会/外来アブレーションをお受けになる患者さんへ (PDFファイル: 2.6MB)
3:緩和/対症的放射線治療での紹介について
放射線治療装置がない医療機関において対症的放射線治療が必要とする場合はご紹介ください。
放射線治療には以下の効果があります。
- がん(転移を含む)による痛みを和らげる
- がんを小さくする・圧迫症状を和らげる
- がんからの出血・浸出液を減らす
これらを目的とする放射線治療を「緩和/対症的放射線治療」といいます。
放射線治療の約半数は「緩和/対症的放射線治療」に分類されます。
がんの症状に対して頻用される放射線治療ですが、その一方で、放射線治療装置はかなりの大型で高額な装置のため限られた大きな病院にしかありません。
放射線治療は一般的には、2~6週間にわたる長期間の通院を必要としますが、上記の対症的照射であれば1回照射で効果が期待できます。
メッセージ
単純に放射線治療を行うだけではなく、気分よく治療を受けてもらえるように心がけています。
放射線治療専従の看護師が日々の体調変化をチェックし、副作用や問題点があればすみやかに解決できるようにします。また、治療する時間帯も仕事などの事情に極力配慮して設定します。急な治療時間の変更希望にも可能な限り対応いたします。
リニアックの導入
![放射線治療装置の写真](http://www.hospital.fujieda.shizuoka.jp/material/images/group/2/souchi01.png)
最新の放射線治療装置(リニアック)を導入しました。
エレクタ社のインフィニティ(ELEKTA Infinity)という最新型の治療装置です。
今回は新機能の一部を紹介させていただきます。
リニアック:機能紹介
![赤い部分から放射線が放出する放射線治療装置の写真](http://www.hospital.fujieda.shizuoka.jp/material/images/group/2/02.png)
1:こちらが今回導入した治療装置です。
右写真の赤い部分から放射線が放出されます。放射線は常に出ているわけではなく、装置の電源を入れなければ放出されませんので安全です。 患者さんは下の黒い台(画面右下)に横になった状態で治療を受けます。
放射線治療は、ある一定期間、連日行う治療です。
患者さんは毎日この台に横になりますが(写真右下の黒い台)、どうしても毎回ぴったり同じ体勢で横になることはできません。ですからこの体勢のズレを補正することが重要です。
![青い部分がエックス線を放出し画像を撮ってくれる放射線治療装置の写真](http://www.hospital.fujieda.shizuoka.jp/material/images/group/2/03.png)
2:そのための新しい機能が右写真の青い部分です。 ここからエックス線が放出され、レントゲン写真のようなエックス線画像を撮ることができます。
患者さんに台に寝てもらい(写真右下)、放射線を当てる(=照射する)直前にエックス線画像を撮ります。この画像と、照射する範囲を決定した時の画像を照合することによって、体勢のズレを補正することができます。
また、この装置はCT画像も撮ることができるため、エックス線画像では見えない臓器も含めて位置を補正することができます。
![天上と床の間でエックス線を交差されて写真がとれる撮影装置の写真](http://www.hospital.fujieda.shizuoka.jp/material/images/group/2/04.png)
3:さらに、新装置には特別に、治療室の天井と床にも撮影装置が埋め込まれています。
(右写真の黄色部分)
この装置は、天井と床の間でエックス線を交差させることによって(右写真の白線)、立体的に患者さんの体勢のズレを補正することができます。非常に精度が高く、かつ短時間で位置を合わせることができます。
このように、照射の直前に画像を撮影し位置を補正して治療を行うことを「画像誘導放射線治療」と言います。
上記のように、新装置は複数の画像誘導機能を有しており、患者さんによって最適な方法を選択します。
「放射線」と聞くと、「被曝」「怖い」「危険」というイメージがあるかもしれませんが、放射線治療の現場では放射線を適切に使用し、必要最低限の被曝に収まるよう管理しています。
今回ご紹介した高精度治療を安全に、正確に施行できるよう、スタッフ一同責任をもって取り組んでいます。
新しい放射線治療にご期待ください。
当院で行われている高精度放射線治療
脳定位放射線治療
いわゆる「脳のピンポイント照射」です。
昨年導入された新治療装置の能力を最大限に生かした照射を行っています。
当院の方式では同時に複数の病変に対してピンポイント照射が可能です。
治療時間も1回あたり約20分と短く、頭部の固定もぴったりとしたマスクで行うため苦痛が少ない治療です。
治療は全5回(約一週間)です。
![新治療装置の脳のピンポイント照射で撮った脳の断面画像](http://www.hospital.fujieda.shizuoka.jp/material/images/group/2/nou_danmen.jpg)
脳の断面の画像です。赤色の部分に強く照射されています。
同時に多数の病変を治療可能です。
![脳定位放射線治療で頭部を固定するのに使うマスクの写真](http://www.hospital.fujieda.shizuoka.jp/material/images/group/2/kouseidochiryou02.png)
このようなマスクで頭部をぴったり固定します。
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更新日:2024年04月01日