痙縮治療について
概要
脳卒中や脊髄損傷による運動機能障害のひとつとして、痙縮が挙げられます。
痙縮では、ご本人に好ましくないかたちで筋肉に力が入ってしまい、動かしにくい、曲げ伸ばししにくくなります。「手足のつっぱり」と表現されることもあります。
痙縮があることにより、
- 手を広げられない(爪を切れない)
- ものをつかむなど動作がしにくい
- 腕を伸ばしにくいので着替えがしにくい
- つま先立ちになり歩きにくい などの症状が生じ得ます。
これらの症状があると、日常生活活動に影響を及ぼすだけでなく、今後筋肉が固まって関節運動が制限(拘縮といいます)されてきます。
当外来では、ボツリヌス治療を行っています。
ボツリヌス治療では、対象となる筋肉内に薬を直接注射することにより、筋肉を緊張させている神経の活動を抑え、筋肉の緊張を和らげます。(※「麻痺が治る」とは異なります)。
診療内容
- 初診時はまず麻痺と痙縮の程度を評価します。
- 痙縮の程度に加え、生活状況にあった痙縮治療を提案します。
- ボツリヌス治療の実施日を決め、当日に筋肉内注射を行います。
- ボツリヌス治療はおよそ3か月毎に実施可能ですので、初回実施後も必要に応じて定期診察を行います。
※上肢痙縮、下肢痙縮に対するボツリヌス治療は保険診療で行えます。
上肢痙縮(肘が屈曲し、手を握り込んでしまっている)
- この記事に関するお問い合わせ先
更新日:2023年05月31日