救急現場からの12誘導心電図Gmail送信 志太消防本部で成果発表
志太消防本部と市立総合病院の循環器内科・救急科が連携し、24時間体制で救急現場から病院に「12誘導心電図」を伝送する取り組みを始めて1年余りが経過しました。
9月22日に同本部で開いた勉強会では、心電図データの伝送により治療着手までの時間が平均10分以上短縮されたことが報告されるなど、課題とともに救命率の向上に繋がる大きな成果が見えてきました。
従来、救急患者さんに急性心筋梗塞の疑いがある場合、病院到着後に12誘導心電図の検査をしていましたが、2022年6月からこの心電図をタブレット端末で救急現場から病院に送るGメール送信システムを導入しました。
狙いは、いち早い情報によって病院側が患者さんの到着前に緊急検査の準備を進め、カテーテル治療までの時間をできるだけ短縮することです。いわゆるDoor to Balloon time(DTPT=病院到着から血流再開までの時間)の短縮が目的です。急性心筋梗塞は閉塞している心臓の冠動脈の血流を1分1秒でも早く再開させることが、救命率の向上と生命予後(医学的見通し)の改善に繋がるからです。
当院循環器内科の中村淳科長の報告によると、システム導入1年で90分未満が目安と言われるDTPTは全国平均の84–85分に対し、従来の当院の平均82分は同71分へと11分も短縮しました。搬送距離や搬送時間が短くても、伝送システムの効果が認められました。
救急現場の意見も集約され、心電図を医師と共有するメリットなどとともに疑問点や課題なども提起され、有意義な意見交換が行われました。
※12誘導心電図とは からだの表面2点間の電位差を記録する電極を付ける位置が四肢誘導と胸部誘導各6通り計12通りある心電図。
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更新日:2023年10月02日