乳腺外科

スタッフ紹介

乳腺外科のスタッフ紹介概要
職名 氏名 卒業年 学会専門医資格等
乳腺外科科部長
兼がんゲノム医療室付科長
長谷川 聡 平成5年卒 日本外科学会専門医・指導医
日本乳がん学会認定医・乳腺専門医・指導医
がん治療認定医
マンモグラフィー読影認定医
乳がん検診超音波検査実施・判定医師
乳房再建用エキスパンダー/インプラント講習会修了
がんゲノム医療に携わる医師等の育成に資する研究、がんゲノム医療中核拠点病院以外のがんゲノム医療に従事する医師等の教育、育成の研究講習会修了
がん治療に携わる医師に対するコミュニケーション技術研修会修了
日本遺伝性乳癌卵巣癌症候群総合診療制度機構教育セミナー修了
臨床におけるがんのゲノム解析研修会入門編 修了
がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了
浜松医科大学臨床教授
科長 瀧 由美子 平成19年卒 日本外科学会専門医
日本乳がん学会乳腺専門医
臨床遺伝専門医
マンモグラフィー読影認定医
乳がん検診超音波検査実施・判定医師
乳房再建用エキスパンダー/インプラント講習会修了
日本遺伝性乳癌卵巣癌症候群総合診療制度機構教育セミナー修了
がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了
医員 中根 千歩 令和3年卒  

診療科の概要

乳腺専門医2名の専門医(うち1名は指導医)と乳腺外科専門研修に進む予定の外科専攻医1名が勤務しております。当院は日本乳癌学会認定施設で、2022年4月から開始された新専門医制度に対応した乳腺外科専門医・研修カリキュラムでは専門研修施設の指定を受けています。乳腺専門医の少ないこの地域を担う次の世代の医師を育てることにも力を入れています。

科の目標

乳腺の病気

1 対象疾患について

主に乳がん治療を行っています。乳がん以外の乳腺腫瘍(線維腺腫、葉状腫瘍、乳管内乳頭腫など)、乳腺症、乳腺炎といった疾患も対象とします。乳房にしこりがある、乳房が痛い、乳頭から分泌があるといった症状でお悩みの方は当科にご相談ください。

2 検査について

画像検査

乳房を観察する画像検査にはマンモグラフィ、超音波、MRIがあります。

診療、読影にあたる乳腺外科、放射線診断科の医師はマンモグラフィ読影A以上を取得し、マンモグラフィ読影講習会の講師経験者です。週に1回放射線診断科医師、検査技師と一緒に術前症例の検討会を行い、細胞診、針生検(=組織診)といった病理学的検査も行っています。乳がんの診断は組織診が必須であり、サブタイプ(乳がんの生物学的特徴)も同時に調べます。

遺伝子検査

最近は遺伝子検査が話題となっていますが、乳癌発症者では遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)の原因遺伝子であるBRCA遺伝子の検査が2020年から保険適用となりました。当院でも検査(採血)を受けることができます。費用は約6万円(自由診療では約30万円)です。

乳がん遺伝子検査のポスター

当院では、臨床遺伝専門医を取得した医師がHBOCを中心に遺伝性遺伝カウンセリングを行っています。また、手術の検体を用いて化学療法の上乗せを検討するオンコタイプDxを行っています。

当院は2023年4月にがんゲノム医療連携病院の指定を受けており、がん遺伝子パネル検査もできるようになりました。

3 治療について

乳がん

乳がん治療には手術、薬物、放射線があります。
乳腺外科では主に手術、薬物治療を行います。
乳がんの手術件数は2021年には151件、2022年には172件と読売新聞によると2022年4月現在静岡県では4番目でした。2023年には174件へ増加しました。2023年は乳房全切除が増加し約65%を占め、乳房部分切除が約35%でした。腋窩リンパ節郭清を行う方が25%で、約75%がセンチネルリンパ節生検で終了しています。全切除例には形成外科医と協力しながら同時乳房再建術も行っています。全切除症例には形成外科医師と協力し同時乳房再建も行っています。乳がんの治療は手術で完了と思っている方が多いですが、手術以上に前述のサブタイプ(乳がんの生物学的特徴)に基づいた薬物療法を重視しています。先に手術ではなく術前化学療法を行なう方も増えています。医学の発展により、乳がんに対して用いられる薬剤は増加し、それに伴い治療効果は改善しています。診療の補助資料として紙ベースのものだけでなく動画が有用と考えています。第4回「上手な医療のかかり方アワード」で2023年3月厚生労働省医政局長を受賞した乳がん大事典BCtube (外部リンク)はわかりやすいため許可を得て診療の補助資料として紹介しています。

また、臨床研究に参加をお願いすることもあります。現在全国規模の多施設共同研究に参加しており、多くの患者さんに協力して頂いております。

術後の薬物治療は5年以上と長期に内服して頂くことも多く、積極的に地域連携パス(がん対策基本計画に基づきかかりつけ医と連携して地域でがん患者さんの診療を行う仕組み)に取り組んでおります。かかりつけ医を持って頂くようにお願いしています。担当医にご相談ください。

放射線治療は放射線治療専門医と連携して行っています。

乳腺腫瘍、乳腺炎

乳がんに対する手術だけではなく、良性腫瘍(線維腺腫、葉状腫瘍、乳管内乳頭腫など)の摘出術も行っています。乳腺炎・乳腺膿瘍に対する治療(切開排膿術など)も行います。

最後に

今や、9人に1人が乳がんになる時代です。年間9万人の方が乳がんに罹患し、40歳台後半から50歳台前半でピークになります。その一方で、85%の乳がん患者さんは病気を克服して「もとの人生」へ戻ることができるようになりました。これからの乳がん診療は、治療だけではなく「がんが治った後の生活」も考えた患者支援が必要となってきます。乳がんを治療していく上で選択しなければならない場面がいくつもあります。難しい場面ですが一つ一つ解決していかなければなりません。当院のがん相談支援センターへの相談件数の約半数は乳がんが占めており、意思決定支援はもちろんアピアランス(外見)・ケア、妊孕性温存・就労支援、高額療養制度など看護師や医療ソーシャルワーカー(MSW)と連携をはかっています。

この記事に関するお問い合わせ先

乳腺外科

住所:静岡県藤枝市駿河台4丁目1番11号
電話番号:054-646-1111(代表) ファクス:054-646-1122
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更新日:2024年04月01日