腎臓内科

• 腎臓内科は腎臓病全般の診療と血液浄化療法を担当しています。
• かかりつけ医との病診連携に加え、看護師と管理栄養士が加わったCKD（慢性腎臓病）指導と栄養指導を含めたCKD対策を行っています。
• CKD診療ガイドラインに準拠したCKD診療の普及と標準化、投薬管理の向上を目的として、市健康推進事業、志太医師会かかりつけ医、当院腎臓内科医からなる患者紹介が中心であった従来のCKD病診連携に、藤枝薬剤師会薬剤師が参加して再構築した薬剤師参加CKD病診連携“ふじえだCKDネット”を2016年3月に立ち上げました。

1. 蛋白尿、血尿といった検尿異常で見つかることが多い各種の腎炎
2. 高度の蛋白尿で低蛋白血症をきたして浮腫や胸水、腹水貯留をきたすネフローゼ症候群
3. 腎臓の血液浄化力が低下して体内に老廃物が溜まってくる腎不全
4. 糖尿病の合併症である糖尿病性腎症、高血圧症の合併症である腎硬化症、腎障害を合併する各種の膠原病などによる2次性腎疾患
5. 電解質異常
6. 血液透析、血液濾過、血液濾過透析、持続的血液濾過透、血漿交換、二重膜濾過血漿交換、血液吸着、血漿吸着、吸着式血球成分除去などの血液浄化療法
7. 透析シャント増設手術、シャント狭窄に対する経皮的血管拡張術

完全予約制です。

事前に地域医療連携室(電話番号:054-646-1193(直通))に連絡してください。

初診の方は紹介状を必ずご用意ください。

薬を服用中の方は、お薬手帳、あるいは薬の説明書、または薬そのものを持参してください。

地域医療連携室について詳しくは、下記リンクをご覧ください。

腎臓内科の外来担当医表と休診表はそれぞれ下記リンクをご覧ください。

• 日本腎臓学会研修施設
• 日本透析医学会認定施設

腎臓には糸球体という濾過装置があり、腎臓は糸球体で血液中の老廃物、余分な水分、塩分などの電解質、酸を濾過し、尿として排泄することで血液を正常な状態に保っています。腎臓の病気には様々なものがありますが、慢性に腎機能障害が進むものでは3つの段階があります。

第1段階は、腎臓の濾過装置である糸球体に炎症が起こる「糸球体腎炎」です。糸球体腎炎になると本来は尿として濾過されないはずの血中の赤血球や蛋白が尿に漏れ出て血尿、蛋白尿が陽性になります。

第2段階では、糸球体が老廃物を濾過する機能が低下し、血中に老廃物がたまってきます。これを「腎不全」といい、急速に腎不全が進む急性腎不全に対して年余に渡って慢性に進むものを慢性腎不全といいます。

第3段階は、血中の老廃物が命にかかわる程大量にたまった末期腎不全で「尿毒症」といい、血液透析や腹膜透析などの透析療法や腎移植が必要になります。
 

腎臓が悪くなると心腎連関といって心筋梗塞、脳梗塞、脳出血などの命にも関わるような心血管系疾患が起こりやすくなります。ですから「腎臓を守ることは、心臓、血管、脳を守ること」でもあるのです。

そのため症状のない早期に腎臓病を見つけて対策を立てることが大切ですので、慢性に進行するすべての腎臓病をまとめてCKD（慢性腎臓病: Chronic[慢性] Kidney[腎臓] Disease[病]）といいます。CKDとは慢性の腎臓病をこれまでのように“腎臓の病気”としてではなく、心血管系疾患への関連を有する“全身性の疾患”としてとらえる新しい概念です。

わが国の2005年のCKD患者数は成人人口の12.9％、1,330 万人とされていましたが、2014年と2015年の推計では1,480万人となり、2024年の推計では約2,000万人（成人5人に1人）と増加しています。慢性透析患者数は2023年末で343,508人です。

CKDには食事、運動、禁煙など生活習慣の改善で足りる場合もあれば、詳しい検査や治療が必要となる場合もあります。もし健診などでCKDの可能性を指摘されたらかかりつけ医を受診し、腎臓専門医の診察が必要との診断であれば腎臓内科を紹介してもらいましょう。

CKDの中で糖尿病が原因で起こってくる腎臓病をDKD（糖尿病関連腎臓病：Diabetic[糖尿病関連] Kidney[腎臓] Disease[病]）といいます。DKDは慢性透析療法が必要になる最も多い原因疾患で、2番目が慢性糸球体腎炎、3番目が高血圧症などに関連する腎硬化症です。

これらの疾患は発症しても最初はほとんど自覚症状がありません。したがって、健康診断を定期的に受けて血圧、血液や尿検査で異常がないかを確認しておくことが大切です。
 

1. 従来のかかりつけ医と病院腎臓内科医との間の患者紹介を中心としたCKD病診連携に薬剤師が参加します。医師は調剤時に薬剤師が患者の腎機能、血糖管理状況が把握できるように院外処方箋に血清クレアチニン（creatinine; Cr）、推算糸球体濾過量（estimated glomerular filtration rate; eGFR）、ヘモグロビンH1c（HbA1c）を記載、あるいは検査データのコピーを患者に渡し、調剤薬局で院外処方箋とともに薬剤師に見せるよう伝えます。
    
2. 藤枝市立総合病院では直近3ヶ月以内で最新のCr、eGFR、HbA1cを院外処方箋に印刷しています。
    
3. 藤枝市が2色に色分けしたCKDシールを市内の調剤薬局に配布しています。調剤薬局薬剤師は、緑のシールは65歳未満ではeGFR 30以上、50未満、65歳以上ではeGFR 30以上、45未満の患者、また、紫のシールは年齢に関係なくeGFR 30未満の患者のお薬手帳のカバーに貼付します。CKDシールはお薬手帳のカバーに貼られますので、将来お薬手帳が更新されてもカバーに貼られたCKDシールは、色を変える時以外は貼り替える必要なく引き継がれます。CKDシールは市健康推進課の特定検診ハイリスク者への訪問指導でも貼付されます。
    
4. 専門学会のCKD診療ガイドラインを簡単にまとめたふじえだCKDネットマニュアルを藤枝市が市内医療機関、薬局に配布し、診療ガイドラインに準拠したCKD診療の普及に努めています。
    
5. 藤枝市立総合病院透析室看護部が、腎臓内科外来患者を対象に家人同伴での個別CKD指導を行います。
    
6. 藤枝市健康推進課、国保年金課、志太医師会、藤枝歯科医師会、藤枝薬剤師会、藤枝市立総合病院によるCKDネット会議を定期的に開催し、ふじえだCKDネットの成果と今後の改善点を協議しています。また、ふじえだCKDネット講演会を年1回開催してふじえだCKDネットの活動と成果の報告、改善すべき点の提示や、CKDに関する最近の話題、専門学会のCKD診療ガイドラインが改訂された場合には改訂ポイントの説明をしています。

※「守れ腎臓！ふじえだCKDネット」について詳しくは、下記のリンクをご覧ください。