脳卒中センターのご案内
脳卒中とは、脳梗塞・脳出血・くも膜下出血を指します。突然体の半分が動かなくなる、うまくしゃべれなくなる、意識が悪くなる、などの症状に代表される脳卒中は緊急性の高い疾患で、迅速な救急搬送、適切な初期診断・初期治療、早期からのリハビリテーション介入が患者様の予後(命が助かるかどうか、後遺症がどの程度残るか)に直結します。
脳卒中は、これまで当たり前にできていたことが突然できなくなってしまう病気とも言えます。患者さんご本人やご家族さんの生活が一変してしまうことも少なくありません。そのため、脳卒中の患者さんやご家族さんの不安や問題に耳を傾け、医療や介護に関する相談や適切な社会資源の情報提供を行う必要があります。
このように脳卒中は病院内のさまざまな診療科・部署が関わる疾患であることから、診療科の枠を超えた組織として「脳卒中センター」を設け、迅速かつ適切なチーム医療が提供できるような体制を整えています。
施設認定
藤枝市立総合病院は、志太榛原二次医療圏で唯一の三次救急を担う病院として、脳卒中の患者さんに対して迅速かつ適切なチーム医療が提供できるよう体制整備に努めてきました。
令和3年度に脳卒中センターを組織化するとともに、一般社団法人日本脳卒中学会より「一次脳卒中センター(Primary Stroke Center:PSC)」の施設認定を受けました。
令和4年度に、新たに二次医療圏内における脳卒中医療の中核施設であることを示す「PSCコア施設」の認定を受けました。
PSCコア施設に認定されるためには、PSCの認定要件に加えて、常勤医師数(3名以上)や年間症例数(12例以上)、24時間365日血栓回収治療が行えることなどの要件があり、また、相談窓口の設置も必須となっています。
高齢化が進む我が国において、脳卒中の医療体制充実は、極めて重要な課題です。引き続き、地域のみなさんの命を守るため、チーム医療を実践していきます。
認定期間:令和6年4月1日から令和7年3月31日まで(年次更新)
【一次脳卒中センター(PSC)とは】
地域の医療機関や救急隊からの要請に対して、24時間365日脳卒中患者を受け入れ、患者搬入後可及的速やかに診療を開始できる施設です。施設認定をうけるためには、急性脳卒中診療を担当する常勤医師がいること、脳神経外科的処置が必要な場合に迅速に脳神経外科医が対応できる体制が整っていること、脳卒中専用病室(脳卒中ユニット)を有すること、脳卒中医療の質を保つことなどの要件をクリアする必要があります。
脳卒中センター統括責任者あいさつ
当院は重症の救急患者を受け入れる救命救急センターを持ち、志太消防本部や静岡市消防本部と連携し地域の救急を担う体制づくりを行ってきました。脳卒中は救急車で搬送される代表的な急性疾患のひとつですので、本疾患に対する院内体制の充実は大変重要です。脳卒中は四肢の運動障害などの脳機能障害を来します。治療法として脳出血やくも膜下出血では開頭手術を行い、脳梗塞では詰まった血栓を取り除く血栓回収術を行うことがあります。適切な治療を速やかに行うことで、脳機能障害の改善が期待できます。しかし、このような治療だけで社会復帰が叶う訳ではありません。治療後はリハビリテーションを行い、失われた脳機能の回復を目指して、再度、働けるような体を作る必要があります。また後遺症が残り、社会生活において支援などが必要となる場合もあります。このほど開設した脳卒中センターでは、脳卒中疾患を患った患者さんとそのご家族さまをトータルで支援できるようなチーム医療を実践しています。
救命救急センター長、救急担当副院長 三木 靖雄
お知らせ
・当院脳神経外科の田中医師がSBSラジオ「サンデークリニック」に出演しました。(2023年7月31日)
・当院救急科の加納医師(他9名)の査読付き論文が、アメリカ合衆国の医学雑誌「The American Journal of Emergency Medicine」に掲載されました。(2022年10月25日)
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更新日:2024年08月07日