救急科

科紹介

救急科の先生が救急傷病の対応をしている写真

当科は現在常勤 4名体制であるが、来年度は 7名へ増員が決定した。

今後はこれまで通り救急外来での一次、二次救急対応と、24時間体制の三次救急対応、救急集中治療管理、ドクターヘリの受け入れに加え、総合診療科領域の入院管理や、ドクターカー・救急隊ピックアップ方式等による現場医師派遣や他院からの重症患者受け入れの際の医師・看護師派遣などの体制整備を行っていく。

当施設は「救急科専門医育成施設」であり、現在は関連病院となっているが、2021年度には「基幹病院」とすべく準備を進めている。

救急診療についての解説図

1. 救急総合診療部門

・ 主に一次救急・二次救急として日勤帯は救急科、夜勤帯・休日については内科当番・外科当番医師が救急外来初療を担う。Walk in から救急車(二次救急)の症例について、内因性、外因性問わず対応する。

・ 専門科疾患については各科の24時間の協力体制が備わっており、治療が必要な症例の引き続きの対応を行って頂いている。診断未確定症例を含む総合診療科症例(肺炎・心不全・尿路感染症・敗血症・脳卒中・中毒・動物咬傷・虫咬傷、環境異常、整形的内科疾患、整形外科保存症例など)については救急科や当番科にて入院継続管理を行う。

・ 当施設は「病院総合診療専門医育成施設」を申請中であり当科に総合診療専門医が常勤している。

2. 救急集中治療部門

三次救急搬送

・ 救急科が24時間体制で担っている。別に指定する三次救急搬送基準に該当する重症緊急症例について、指令課や救急隊からの連絡を救急医が直接行い、救急隊特定行為の指示をはじめ、救急外来初療とその後の集中治療を担う。重症症例のうち、循環器疾患や脳外科疾患を始めとする専門診療科疾患については各科での管理を依頼するが、他の多くは各科と連携を取りつつ当科にて集中治療管理を行う。

・ 静岡県には、西部・東部に計 2 機の Dr.ヘリが運用されているが、Dr.ヘリ症例の受け入れも積極的行っている。

・ 当科では一定の難治性心肺停止に対して、経皮的心肺補助装置(PCPS)を使用した 体外循環式心肺蘇生(ECPR)を積極的に行い、多くの社会復帰症例を経験した( 院外心肺停止搬送症例に対する蘇生率向上にむけた当院での取り組みと実績 )。今後も藤枝市のみならず、志太榛原地域全体に貢献できるような体制作りを進めていく。

救急集中治療

・ 当科で入院対応する主な症例群は、「心肺停止」「多発外傷・高エネルギー外傷」「ショック」「敗血症性ショックなどの重症感染症」「重症糖尿病や重症代謝疾患」「重症呼吸不全」「うっ血性心不全」「中毒全般(薬物中毒や動物・虫咬傷など)」「痙攣重積発作」「重症脳卒中」「環境異常(熱中症・低体温症)」などであり、他科の重症症例も含め救命救急センターの集中患者管理を各科と連携し担う。

・ 当施設は「集中治療専門医育成施設」でもあり、集中治療専門医が当科に常勤している。

3. 救急IVR部門

・ 高エネルギー外傷・多発外傷や、急性期脳梗塞の血栓回収など、救急領域にはカテーテル治療が有用な場合が多い。当施設は放射線科と連携し多症例のIVR を行っている。

・ 当院は「IVR専門医育成施設」でもあり、当科にIVR修練医が常勤し専門医を目指している。

4. 小児救急部門(建設中)

小児科と連携し、小児救急を担う。当地域における小児救急体制を新たに構築すべく、今後救急医と小児科医が連携していく。

5. ドクターカー運用

現在は主に当院からの転院搬送症例に使用しているが、今後は他院からの重症患者転送や救急現場への医師派遣も可能になるように体制整備を進めていく。

6. 救急隊との活動

1)MC(メディカルコントロール)と検証会

院外心肺停止や切迫心停止の症例に救急隊が行える特定行為についてオンライン MC による特定行為指示と、月 1 回の検証会を行っている。

2)ワークステーション方式(建設中)

志太消防と連携し、救急隊を 1 隊当院救命救急センターへ配備し、院内での救命士の育成や救急隊との連携をさらに密になるような体制作りを行っている。

3)ピックアップ方式による救急車医師同乗

消防からの救急車に救急医が同乗し現場で医療活動を行う。外傷や胸痛患者、脳卒中患者、ECPR の適応となり得る心肺停止患者などへの早期医療介入が可能となり、救命率向上に向けて有用と考えられる。地域の消防と連携を取り、医師派遣への新たな体制作りを進めていく。

7. Off-job(On the job)トレーニング

救急医学会認定 ICLS コースを「志太榛原 ICLS」として地域近隣病院と連携して定期開催を行う。また日本集中治療教育研究会認定 FCCS や日本外傷診療研究機構認定 JATEC へのインストラクター参加、日本内科学会認定 JMECC 開催など救急集中治療外傷診療に関わるトレーニングコースへの運営・参加を行っている。

他、JPTEC、ACLS、BLS、SCLS、PALS、MCLS など、多くのトレーニングコー スへの参加を行い研鑽を積む。

8. 災害医療(DMAT)

当院は災害拠点病院の指定を受けている。DMAT 隊員としては医師 3名、看護師 5名、ロジ 5名の構成で、医師のうち 2名が救急科医師となっている。

当院の災害訓練では DMAT 隊員が計画を立てているが、救急科は訓練の中心として活躍している。局地災害による多数傷病者の発生時には病院の受け入れを救急科が中心となって行っている。

スタッフ紹介

スタッフ紹介の概要
職名 氏名 卒業年 学会専門医資格等
危機管理担当副院長 閨谷 洋 昭和55年卒 日本救急医学会救急科専門医
日本外科学会専門医
日本呼吸器外科学会指導医・専門医・評議員
日本呼吸器内視鏡学会指導医・専門医
日本禁煙学会認定指導医
日本胸部外科学会認定
肺がんCT検診認定医師
がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了
救急担当副院長
兼救命救急センター所長
三木 靖雄 平成1年卒 <専門医資格等>
 日本救急医学会救急科専門医
 麻酔科標榜医
 日本航空医療学会航空医療医師・指導医
 医学博士
 愛知医科大学客員教授

<その他の資格等>
 DMAT技能維持研修修了
 JATECプロバイダー
 BLS・ACLS受講済
 がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了

<特に専門とする領域>
 航空医療
 集中治療医学
 麻酔科学

<所属学会>
 日本救急医学会
 日本集中治療医会
 日本航空医療学会
 日本臨床救急医学会
 日本呼吸療法医学会
 日本熱傷学会
 日本麻酔科学会
医長 増田 崇光 平成19年卒 <専門医資格等>
 日本救急医学会救急科専門医
 日本病院総合診療医学会認定病院総合診療医
 医学博士

<その他の資格等>
 ICLSアシスタントインストラクター
 JATECプロバイダー

<特に専門とする領域>
 外傷外科
 集中治療医学
 総合診療

<所属学会>
 日本救急医学会
 日本外科学会
 日本病院総合診療医学会
 日本外傷学会
 日本Acute Care Surgery学会
 日本Shock学会
 日本呼吸療法学会
 日本救命医療学会
 日本臨床救急医学会
 日本腹部救急医学会
 (日本内科学会)
 (日本消化器病学会)
 (日本消化器内視鏡学会)
医長 麻喜 幹博 平成20年卒 <専門医資格等>
 日本循環器学会循環器専門医
 日本集中治療医学会集中治療専門医
 日本内科学会認定内科医

<その他の資格等>
 ICLSインストラクター
 JMECCインストラクター
 BLS/ACLSプロバイダー
 FCCSプロバイダー
 NCPRプロバイダー
 JPTECプロバイダー
 MCLSプロバイダー
 がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了

<特に専門とする領域>
 心肺蘇生(ECPR等)
 循環器科学
 集中治療医学

<所属学会>
 日本救急医学会
 日本集中治療医学会
 日本循環器学会
 日本内科学会
 日本病院総合診療医学会
 日本臨床救急医学会
 (日本心臓病学会)
 (日本冠疾患学会)
医員 竹内 誠人 平成25年卒 <専門医資格等>
 日本救急医学会救急科専門医
 日本旅行医学会認定医
 歯科医師

<その他の資格等>
 JATECインストラクター
 ICLSインストラクター
 JPTECプロバイダー
 NCPRプロバイダー
 BLS/ACLSプロバイダー
 PALSプロバイダー

<特に専門とする領域>
 外傷診療
 IVR
 口腔外科学

<所属学会>
 日本救急医学会
 日本IVR学会
 日本旅行医学会
 日本腹部救急医学会
 日本外傷学会
 日本臨床救急医学会
 日本脈管学会

実績

救急科 外来実績

実績の詳細
  平成27年度 平成28年度 平成29年度 平成30年度
受診患者数 17,070 15,476 15,952 15,489
救急車台数 4,828 5,046 5,311 5,519
三次救急受入数 - - 453 545
救急外来からの入院患者数 5,126 5,066 4,559 5,192
緊急心臓カテーテル件数 158 168 136 153
緊急内視鏡件数 136 157 165 187
緊急手術数 80 108 117 114
緊急透視件数 36 61 112 88
緊急アンギオ件数 - - - 18
心肺停止症例数 125 153 130 163
緊急PCPS挿入症例数 5 4 7 9

救急科 入院実績

救急科入院患者統計
  平成28年度 平成29年度 平成30年度
全入院患者数 332 649 649
死亡 41 96 88
転科 80 235 218
退院・転院 211 318 343
       
平均入院日数( 日 ) 6±9 5±9 7±11
入院日数中央値( 日 ) 2(1.2.2.5.108) 2(1.1.2.5.122) 3(1.1.3.8.92)

 

詳細(延べ数)
  平成28年度 平成29年度 平成30年度
院外心停止(外来死亡含む)
心停止蘇生後症候群
153
32
130
55
163
51
敗血症・敗血症性ショック
侵襲性肺炎球菌感染症
劇症型溶連菌感染症(STSS)
髄膜炎
脳腫瘍・脳炎
肺炎・急性呼吸急迫症候群
重症レジオネラ肺炎
腹部感染症
感染性心内膜炎
尿路感染症・急性腎盂腎炎
蜂窩織炎
壊死性筋膜炎
破傷風
頸部膿瘍
21

1
1

74
1
6

15
6
1

1
35
1
2
4
2
116

4

31
6
1
1
 
65
2

2
2
147

12
1
39
2
2

 
窒息
溺水
喀血
緊張性気胸・気胸(内因性)
COPD急性増悪
気管支喘息
6


2
2
 
9
3
2
2
6
2
3
3
2
4
5
6
うっ血性心不全
心原性ショック
急性冠症候群
肺塞栓症
不整脈
心タンポナーデ
急性大動脈解離
大動脈瘤・大動脈瘤破裂
34
6
4

13
2
2
 
60
6
16
3
19
3
3
19
51
8
28
1
18
5
3
2
消化管穿孔・イレウス
消化管出血・出血性ショック
下肢急性動脈閉塞症
上腸間膜動脈血栓症
非閉塞性腸管虚血
肝炎・肝硬変など
5




8
9
17

1
2
10
3
19
1

3
2
脳出血
急性期脳梗塞
痙攣重積・てんかん
めまい症
慢性神経疾患
8
14
18
5
19
47
50
65
6
22
50
66
46
3
3
脱水・電解質異常・代謝異常
急性腎不全
血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)
横紋筋融解症
57
14

7
47
25
1
1
32
9
1
7
重症糖尿病(DKA/HHSなど)
低血糖
脳下垂体疾患
血液内科疾患
甲状腺疾患
12
3
1

2
8
13
2

4
8
9

14
 
薬疹
アナフィラキシー・アナフィラキシーショック

8
3
9

8
動物咬傷
中毒
熱傷
熱中症
電撃症
低体温症
2
30
6
14

11
4
31
7
13

11
4
24
3
8
1
7
悪性腫瘍
血球貪食症候群
播種性血管内凝固症候群(DIC)
貧血
7

10
2
25

6
3
30
2
13
6
偽痛風
脊髄硬膜外血腫
腰痛疾患(内科的整形症例)
8
2
9
1

8
4
2
10
精神疾患(うつ病・統合失調症など) 29 31 20
高エネルギー外傷・多発外傷・出血性ショック
頭頸部外傷
胸部外傷
腹部外傷
整形外科的外傷
17
74
16
4
32
45
110
25
14
67
44
85
23
8
67

 

業績集

救急患者数統計

臨床研究のお願い

「院外心停止例救命のための効果的救急医療体制・治療ストラテジの構築に関する研究」への協力のお願い

本邦では年間7万人を超える心臓突然死が発生しております。病院前救急医療の発展により、院外心停止例の社会復帰率は改善していますが、いまだに8%程度と非常に低いことが現状です。さらなる社会復帰率向上のために病院到着後の集中治療の効果が期待されていますが、その治療実態と効果は明らかではなく効果的な治療法は確立されていないのが現状です。本研究を前向きに検討・分析し、有効な集中治療などの治療ストラテジを検討することを目的とし、日本救急医学会が主導している多施設共同研究の参加のための研究への参加を行っております。

対象は当院救命救急センターに搬送された院外心停止のうち、救急隊が蘇生行為を行った症例について、個人情報を保護した上でデータの登録を行わせていただきます。本研究に参加・協力することに同意されない場合は、以下までご連絡ください。

連絡先

藤枝市立総合病院 救急科
救命救急センター長 三木 靖雄
電話番号:054-646-1111(代表)

この記事に関するお問い合わせ先
救急科

住所:静岡県藤枝市駿河台4丁目1番11号
電話番号:054-646-1111(代表) ファクス:054-646-1122
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更新日:2020年01月10日