産婦人科
スタッフ紹介
職名 | 氏名 | 卒業年 | 学会専門医資格等 |
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科部長 | 金森 隆志 | 平成14年卒 | 日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医・指導医 静岡県医師会母体保護法指定医師 浜松医科大学臨床講師 がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了 |
医長 | 松木 翔太郎 | 平成23年卒 | 日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医・指導医 日本婦人科腫瘍学会婦人科腫瘍専門医 日本産科婦人科内視鏡学会腹腔鏡技術認定医 日本内視鏡外科学会技術認定医(産婦人科) ロボット(da Vinci)支援手術認定医 静岡県医師会母体保護法指定医師 |
医員 | 北本 愛依 | 平成30年卒 | 日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医 |
医員 | 鈴木 勝英 | 平成31年卒 | 日本専門医機構認定産婦人科専門医 ロボット(da Vinci)支援手術認定医 ALSOプロバイダーコース修了 がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了 |
医員 | 水島 恵 | 令和3年卒 |
科紹介
当科では、妊娠出産を支える産科領域と、女性特有の疾患を対象とする婦人科領域の診療を行っています。
産科について
産科、小児科、その他関連診療各科の医師・スタッフが緊密な連携し、安全なお産を支援します。
当院の産科の特徴
地域周産期医療センター
志太榛原二次医療圏の地域周産期母子医療センターとして、正常妊娠・分娩だけでなくハイリスク妊娠(多胎、前置胎盤、早産、妊娠高血圧症候群など)にも対応します。
地域との連携
妊娠から産後まで一人で悩み、困ることがないように、地域の保健師と協力する体制が整っています。必要があれば、病院での情報を地域の保健師に提供し、自宅に帰ってからの育児がスムーズに行えるように支援させていただくことがあります。
健やかなマタニティライフをサポート
妊娠後の定期検診だけでなく、妊娠中の過ごし方や藤枝市立総合病院での入院生活などについてご案内する「ママクラス」を定期的に開催しています。また、子育ての第一歩となる母乳育児がスムーズになるよう母乳育児支援にも取り組んでいます。
産後も「2週間健診」「1か月健診」に加えて、「すくすくクラス」や「母乳外来」、「電話相談」など、お母さんが抱える様々な悩みに対応するサポート体制が整っています。
産科外来
受診方法 |
市販の妊娠検査薬で陽性反応が出た方などで、予約なしの受診を希望する場合は午前11時までに受付にお越しください。自己診療の場合、特別初診料はかかりません。 予約ができる方は、電話予約を取った上で来院するようお願いします。他院からの紹介状をお持ちの方はその旨お伝えください。 |
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予約・問い合わせ |
平日の午後2時〜午後4時に、電話で産婦人科外来へ 【電話番号:054-646-1111(内線:2610)】 |
診察日時 |
月曜日〜金曜日 午前8時30分~午後11時30分 ※原則完全予約制です |
周産期超音波外来
曜日・時間 | 毎月第2、4木曜日 ※午前9時30分~午後2時15分まで |
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担当医 | 西口 富三 |
対象 | ・志太榛原地域在住かつ志太榛原地域の開業医に通院中の妊婦 ・当院産婦人科通院中の妊婦 |
申し込み方法 | 希望者は、主治医を通じて申し込みをしてください |
婦人科について
子宮筋腫、卵巣嚢腫、子宮内膜症などの良性疾患や子宮体がん、卵巣がんなどの悪性腫瘍の精査、治療、月経異常などの内分泌疾患の管理などを行っております。令和3年より腹腔鏡下手術も再開し、手術件数を徐々に増やしています。
当院の婦人科の特徴
手術支援ロボットを用いた低侵襲手術の推進
近年婦人科を含めた外科領域では世界的に腹腔鏡あるいはロボットによる低侵襲手術への移行が進んでいます。
当院でも令和3年度に手術支援ロボットを導入しており、当科においても令和5年10月から婦人科良性疾患(子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮頚部異形成など)、令和6年7月から子宮脱に対するロボット支援手術が保険適用となりました。

ロボット支援手術は、開腹・開胸手術に比べると、傷口が小さく、出血量も少ないという点があります。このため、手術の痕が目立ちにくく、術後の回復も早くなります。
さらに人間の手よりも広い可動域を有するロボットアームを使って複雑な操作を行える、操作者(執刀医)の手ぶれを除去できるなどの特徴があり、繊細かつ正確な手術操作が可能となります。
今後、患者さんの安全に十分に配慮しながら、さらにロボット支援手術を推進していきます。
地域がん診療連携拠点病院として

志太榛原二次医療圏で唯一の地域がん診療連携拠点病院として、婦人科領域でもがん治療を推進しています。がん治療の基本となる手術療法、薬物療法、放射線治療に関して、安全で、かつ質の高い診療を行っています。
また、子宮体がんロボット支援下手術の導入や、免疫療法・分子標的薬による個別化医療にも取り組んでいく方針です。
チーム医療の充実
前述のがん治療では、必要に応じて「薬物療法」を行う化学療法センターや「放射線治療」を行う放射線治療科と協力し、患者さんにとって最適な治療方法を提供することとしています。
がん以外の疾患でも、子宮筋腫に対する子宮動脈塞栓術についてIVR科と連携して治療を行うことがあります。
複数の診療科と連携し、チームで患者さんの治療に取り組む体制があることは、当科の大きな特徴です。
主な対象疾患
子宮筋腫
30歳以上の女性の20~30%にみられます。がん(悪性の腫瘍)ではありませんが、貧血や痛みなど様々な症状の原因となります。治療は手術療法、あるいは薬物療法です。手術では子宮を取る手術(子宮全摘術)と筋腫だけを取る手術(筋腫核出術)があります。子宮全摘術に関して当科では、症状、筋腫の大きさ・位置から腹腔鏡下手術、開腹手術、ロボット支援下手術のいずれかを選択します。当科ではロボット支援下手術(da Vinci Xi)を2023年度から導入し、なるべく傷を小さくし患者の負担が軽くなる手術を行っています。また、それ以外の治療法として、子宮筋腫に栄養を供給する血管をつめてしまう治療法(子宮動脈塞栓術)も行っています。


子宮内膜症
子宮内膜またはそれに似た組織が何らかの原因で、本来あるべき子宮の内側以外の場所に発生し発育する疾患が子宮内膜症です。20~30代の女性で発症することが多く、そのピークは30~34歳といわれています。子宮内膜症は女性ホルモンの影響で月経周期に合わせて増殖し、月経時の血液が排出されずにプールされたり、周囲の組織と癒着をおこして様々な痛みをもたらしたりします。また、不妊症の原因にもなります。治療は症状の種類や重症度はもちろん、年齢、妊娠の希望などを総合的に判断して、薬物療法と手術療法を組み合わせて行います。
卵巣腫瘍
卵巣は子宮の左右に一つずつあり、通常では2~3cmぐらいの大きさです。ここから発生した腫瘍が卵巣腫瘍であり、大きいものでは30cmを超えることもあります。卵巣腫瘍には様々な種類がありますが、その発生起源から表層上皮性・間質性腫瘍、性索間質性腫瘍、胚細胞腫瘍などに大別され、それぞれに、良性腫瘍、境界悪性腫瘍、悪性腫瘍があります。症状には腹部膨満感(お腹が張って苦しい)、下腹部痛、頻尿などがあります。時に腫瘍が破裂したり、茎捻転といって腫瘍がお腹の中でねじれてしまうと突然の強い下腹部痛が出現することもあります。治療は手術療法が原則であり、悪性腫瘍の場合、その多くは術後に抗がん剤が必要となります。手術療法は術前の諸検査により良性腫瘍と診断された場合、腫瘍を摘出する術式が選択される場合が多いです。
子宮内膜増殖症、子宮体がん
子宮体がんの発生には、卵胞ホルモン(エストロゲン)という女性ホルモンが深く関わっていることが多いです。卵胞ホルモンには子宮内膜の発育を促す作用が原因で、子宮内膜増殖症という前段階を経て子宮体がん(子宮内膜がん)が発生することが知られています。一番多い自覚症状は不正出血です。子宮体がんは40~50歳台が一番多いので、閉経後あるいは更年期での不正出血がある時には特に注意が必要です。治療の主体は手術です。化学療法やホルモン療法を行う場合もあります。
子宮頸部異形成
子宮頸部異形成には軽度(CIN1)・中等度(CIN2)・高度(CIN3)と三段階あります。CIN3の場合は、子宮頸がんの一歩手前の状態であり、10~20%程度が子宮頸がんに移行するといわれているため子宮頸部円錐切除術という手術を行います。麻酔がかかった状態で膣から子宮の出口(頸部)を薄く切り取る手術です。子宮頸部を薄く削るのみで、子宮を温存できることが何よりのメリットですが、子宮頸部異形成が再発する可能性もあり、術後も定期検診が必要になります。子宮温存希望がない場合は、腹腔鏡やロボットによる子宮全摘術をご案内することもあります。
更年期障害
日本人の平均閉経年齢は約50歳ですが、個人差が大きく、早い人では40歳台前半、遅い人では50歳台後半に閉経を迎えます。閉経前の5年間と閉経後の5年間とを併せた10年間を「更年期」といいます。更年期に現れるさまざまな症状の中で他の病気に伴わないものを「更年期症状」といい、その中でも症状が重く日常生活に支障を来す状態を「更年期障害」と言います。更年期障害の症状は、ほてり、のぼせ、ホットフラッシュ、発汗、めまい、動悸、頭痛、肩こり、腰や背中の痛み、関節の痛み、冷え、しびれ、疲れやすさ、気分の落ち込み、意欲の低下、イライラ、情緒不安定、不眠など多彩です。治療は、生活習慣の改善や薬物療法を行います。
子宮脱
子宮下垂・脱は、子宮が正常の位置より下降したものを子宮下垂といい、これがひどくなり外陰部より子宮の一部または全部が脱出するのを子宮脱といいます。歩行時、重いものを持った時、しゃがんでいる時などにピンポン球くらいの、丸くて固いもの(子宮腟部)が外陰部に触れるようになることで気づきます。症状が悪化すると子宮が完全に脱出し、膀胱や直腸が脱出することもあります。外陰から脱出した部分が、常時下着などに接触しこすれると、赤くなったり、おりものが増えたり、出血したりします。また、化膿したり、排尿障害や排便障害をきたすこともあります。
婦人科外来
受診方法 |
婦人科外来の診察はすべて紹介予約制です。紹介元の医療機関より受診申込書と紹介状のファックス送信をお願いします。 |
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予約・問い合わせ |
平日の午後2時〜午後4時に、電話で産婦人科外来へ 【電話番号:054-646-1111(内線:2610)】 |
診察日時 |
月曜日〜金曜日 午前8時30分~午後5時15分 ※原則完全予約制です |
施設認定
- 地域周産期母子医療センター
- 日本産科婦人科学会専門医制度専攻医指導施設
- 日本産科婦人科内視鏡学会認定研修施設
科の目標
- この記事に関するお問い合わせ先
更新日:2025年01月21日